Vol.213:人生夢路 徳麺


 今回取材するのは大阪市中央区の「人生夢路 徳麺」。谷町四丁目駅から徒歩5分ほどの場所、巷ではスパイスカレー激戦区として有名なエリアにある人気ラーメン店だ。先日、約5年振りに食べに行って、その味の進化、そして食事をする環境の良さがとても好印象だったのですぐに取材をお願いした。「人生夢路 徳麺」三崎店主にKRK直撃インタビュー!


 - 出身は?

「大阪の交野市です。」

 

- ラーメンは昔から好き?

「ラーメンはずっと好きで、特に大学生の時によく食べていました。」

 

- 食べ歩き時代に印象に残っているお店は?

「大学からの帰り道によく鶴麺さんで食べていました。他店で濃い系も食べていたんですけど、鶴麺さんで『清湯でこんなに凄いのができるんだ!』って驚きましたね。」

 

- その頃、ラーメン屋をしたいという気持ちは?

「大学を卒業して普通に就職しました。公務員だったんですが、ラーメンはずっと好きで食べ歩きをしていて『もう俺、ラーメンやろうかな?』と思い始めました。自分は何がしたいんだろうと考えた時に、好きなことをするのが自分の人生にいいのかなと思いました。」


- 自分でラーメン屋をするために?

「飲食の経験が全く無かったのでいきなりはできないと思って、某店で一年ほどお世話になりました。初めは包丁で切るのもできないので、指を切ったりしてメッチャ大変でしたね。仕込みとかだんだんできるようになってくるとお客様の方も見れるようになって、『この商売、やっぱり面白いな!』と思って自分でやってみようと決心しました。」

 

- 自分の店へ動き始めるんですね。

「まだ足りない部分もあるのでどうしようと思った時に大和のラーメン学校のことを知り、そこで学ぼうと思いました。現場の経験は積んできたので、カエシとか味の基本、製麺も含めて大和ラーメン学校で学びました。」

 

- 自店で作りたいラーメンは決まっていたんですか?

「自分は全てのラーメンが好きだったので、まだ決まっていませんでした。大和で全部のラーメン、鶏白湯から濃厚豚骨、豚の清湯など全部を学ばせてもらいました。そして大和を通して知り合った乾物屋さんにいろいろ相談している時に、そこで魚介オンリーのスープを味見させてもらう機会がありました。食べてみると『えっ?これ本当に魚介オンリーなんですか?』と驚いて、魚介もありだなと思い始めました。」



- 屋号の由来は?

「初めに人生夢路と付けたのは本当に人生は夢路だと思っているし、夢路という言葉が使いたかったんです。理由の一つは、らーめん夢路ってお店が寝屋川市に昔あってよく食べに行っていたんですよ。同じ屋号じゃあかんと思って『人生』を付けたらいいかと思いました。もう一つの理由は、大正ロマンの竹久 夢二さんが僕と同じ誕生日。それで漢字を少し変えて夢路にしました。」

 

- 徳麺は?

「この場所が徳井町なんです。徳井町でラーメンに人生賭けますって意味です。」

 

- 場所はいろいろ探したんですか?

「当初は地元交野市で探していたんですがなかなか無くて、それでどんどん市内の方へ来てこの場所と出会いました。やっぱり人通りが多い場所じゃないと駄目だなと思って探していました。この地域には当時はあっさり系は無かったし、魚介の店も無かったので魚介でしようと決めました。」



- 魚介オンリーのスープ開発も大変だったでしょう?

「大和ラーメン学校で勉強したレシピはあったんですけど、参考にできるお店も当時は無かったですから大変でしたね。知り合った業者さんの得意分野の節とかも考えて、スープ作りをしていました。魚介オンリーですることしか考えていなかったですね。いろんな食材と出会いながら少しずつ進化させていっています。麺もスープも同時並行ですね。現在、メンマ以外は全て手造りしています。」

 

- 最近は限定も注目されていますね。

「新しいスタッフが3年前くらいに入ってくれて、いろいろ力になってくれています。そのスタッフがウチの現状を見て『もっと限定とかでアピールした方がいい!』と言ってくれて、どんどん限定もしていこうとなりました。限定は3年前くらいからしていたんですけど、最近急に注目度が増してきたと感じています。3年前、最初の限定として『ガパオまぜそば』をした時なんか、一食も出なかったですからね(笑)。当時はまだtwitterもしていなかったので、誰も限定をしていることを知らなかったんでしょうね(笑)」

 

- 三崎店主が大事にしていることは?

「僕がラーメンを好きになった理由は、ラーメンの自由なところ。清湯から白湯から自由な食べ物。だからウチも自由な発想でやっていきたいし、お客様も巻き込んで楽しんでいけたらと思っています。エンターテイメントをするために何が必要かと言えば、僕が積み上げてきた安心・安全。自分で作って『これは安全だ』というものを一つ一つ積み上げていき、お客様がそれで喜んでくれること。その感動を得たいがためにしています。そのためにはお客様に嘘をついたら駄目。お客様の満足度を上げることを追求していきたい。そこだけは曲げたくないです。『ココにラーメンを食べに来てよかった!』と思ってもらえたら最高ですね。」



◆店舗情報

人生夢路 徳麺

大阪府大阪市中央区徳井町2-2-14

twitter:https://twitter.com/tokumen_tani4

オープン日:2015年11月16日

 (取材・文・写真 KRK 令和3年3月2日)