Vol.296:麺屋 希楽夢

2023年7月29日オープン!


 今回取材するのは、京都の宇治田原町で2023年7月29日にオープンする新店「麺屋 希楽夢(きらむ)」。元々、愛知県の知多半島で営業をしていた人気店(2017年1月6日~2022年10月28日)で、今回、店主の地元・京都へ戻ってきて新たなスタートを切るということだ。今回の京都への移転については、2022年11月に聞いていたので、ワクワクしながらこの日を待っていた。「麺屋 希楽夢」岡田店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「京都府の木津川市山城町です。」

 

- ラーメンは好きだったんですか?

「はい。元々、ラーメンが好きで、小さい頃からラーメンをよく食べていました。横綱さんや神座さん、第一旭さんとかによく行っていましたね。」

 

- 飲食の仕事に興味があったんですか?

「高校の時に奈良の東向き商店街のお好み焼き屋でアルバイトしていました。高校を卒業してから介護の学校へ行きましたが、卒業後は介護の仕事に就かずにフリーターをしていました。当時、音楽をしていてそっちが楽しかったんです。その頃もラーメンはずっと食べていましたね。」

 

- ラーメン屋をするきっかけは?

「全く別ジャンルの仕事をしていたんですが、25歳の頃にリーマンショックがあり、その頃から将来のことを真剣に考え始めるようになりました。その時に飲食の仕事がしたくて居酒屋も考えたんですが、リーマンショックの時に居酒屋で食べていくのは難しいかなと思いました。それならラーメンがずっと好きだったので、ラーメン屋をしてみようと思いました。」



- ラーメン屋をしたいと思ってからは?

「社員募集を探していて、無鉄砲さん(当サイト記事)に社員として入りました。26歳の頃ですね。」

 

- 独立志望はあったんですか?

「はい。無鉄砲さんでの面接時に3年で独立したいことは伝えていました。でも3年経った頃もまだ自分の中で自信が持てなくて、結局、5年ほどお世話になりました。」

 

- 無鉄砲では?

「東京のお店を立ち上げてすぐの頃だったので、グループ全体が凄い勢いでした。京都総本店、がむしゃら、大阪店、東京の中野店と無極、と多くのお店に入らせて頂きました。とても厳しい修行時代でしたが、赤迫社長、社長の奥さん、各店舗の店長、従業員には色々なことを教わり経験させていただきました。

 赤迫社長とはラーメンショー、つけ麺博、百貨店の物産展など日本全国のイベントへ一緒に同行し、技術はもちろんですが、一杯一杯1人のお客さんを意識して作ること、ちょっとした甘えが味に出ることなど多くのことを学びました。イベントに参加した時にがんたれの板谷さん(当サイト記事)、とみ田さんなどにもスープの作り方や麺上げを教えていただき、とても恵まれた環境にいました。」

 

- 独立のタイミングは?

「5年経った頃に独立することを伝えて、無鉄砲さんを離れることに決めました。」


2017年1月6日オープン


- 愛知県を選んだ理由は?

「人口が多いと思い、愛知県を選びました。」

 

- 名古屋でなく、知多半島にしたのは?

「最初、名古屋で探していたんですが物件が全く無かったんです。不動産屋さんに条件を出したら、あの場所しか当時は無かったんです。物件を見に行ったら雰囲気も良かったし、駐車場もあるのでここでしようと決めました。」

 

- 屋号の由来は?

「『希望や夢を持って楽しんでやっていこう』という意味です。そういうのをお客様にも与えられるようなお店にしたいと思っています。」

 

- 最大の謎なんですが、無鉄砲出身なのに清湯を選んだのは?

「僕自身が途中から清湯に興味を持ち始めたからなんです。」

 

- 「途中から」とは?

「無鉄砲さんの東京のお店で3年ほどいた間、東京のラーメン屋さんを色々と食べ歩いていて、清湯の美味しさに驚いていたんです。その期間に清湯が自分の好みになっていき、清湯でお店をしたいと思い始めました。蔦さんや春木屋さんとか好きでしたね。」

 

- 清湯は自己流で?

「無鉄砲を離れてから、大和製作所のラーメン学校で清湯を学んできました。」

 

- 自家製麺もその時に?

「無鉄砲の無極で働いている時に製麺はしていました。愛知のオープン2年目までは麺屋棣鄂さんの麺を使っていたんですが、途中から自家製麺がしたいとなりました。その時にちょうどガチ麺道場の上野店主(当サイト記事)が『製麺機を必要な人いない?』と探していたので譲ってもらいました。そして上野店主から『せっかくだから製麺を教えてあげるから、ウチへ学びに来たら?』と声をかけて頂き、いろいろ学ばせて頂きました。」


2023年7月29日オープン


- 今回、京都へ戻ってくることになった経緯は?

「実家が京都だし長男なので、いずれは京都でしたいとは思っていました。やっぱり地元はいいですね!山があって自然があって、やっぱり落ち着きます。」

 

- 京都の場所は?

「自分の家から車で30分圏内で探していたんですがなかなか無かったんです。京都へ戻ると決めていたので愛知の物件を先に引き払って、2022年11月に京都へ戻ってきました。そして物件が見つかるまでの間、奈良の『無鉄砲つけ麺 無心』で働かせてもらっていました。」

 

- この物件との出会いは?

「不動産屋さんから電話があってここが空いたのを教えてもらいました。駐車場が12台分あるし、周りの店舗さんもとても良い方ばかりだったのでここですることに決めました。少し広いなとは思ったんですが、将来的には製麺室を作りたいのでいいかなと思いました。」

 

- オープンまでは順調?

「6月24日が入居日だったのでそこからすぐに工事が入りました。7月に入ってすぐに試作を始めて、シミュレーションをしてほぼ準備は整っています。」



- 商品の紹介をお願いします。

「愛知時代とは少し変えています。スープはシジミ、煮干し、節類の魚貝スープと、鶏スープのダブルスープです。塩ダレ、醤油ダレを合わせます。愛知で塩がダントツで人気あったので、塩をトップメニューにしています。麺も愛知時代と少し変えています。北海道産の小麦粉を色々ブレンドして使っています。」

 

- ラーメン2本のみ?

「鶏白湯系のラーメンも1日限定20食とか数量限定でしたいと思っていますが、慣れるまでは塩と醤油の2本のみで営業していきます。つけ麺もやりたいとは思っているんですけど、今はラーメンのみでしていきます。」



- 岡田店主が一番大事にしていることを教えてください。

「商品にはもちろん拘っていきますが、ラーメンがきっかけで色んな方、お客様と出会ってきました。これからもそういう出会いとか縁を大事にしていきたいと思っています。」



◆店舗情報

麺屋 希楽夢

京都府綴喜郡宇治田原町南亥子90-1

twitter:https://twitter.com/menyakiramu

京都・移転オープン日:2023年7月29日オープン

愛知・オープン日:2017年1月6日オープン

 (取材・文・写真 KRK 令和5年7月24日)