Vol.64:武田中華そば

2017年6月10日、大阪府阪南市に一軒の中華そば専門店がオープンした。うっかり店の前を通り過ぎてしまいそうな老舗って外観からは新店って雰囲気は皆無。屋号は「武田中華そば」。少し南下するともう和歌山県って立地ながら、オープン前からこの店の話題でSNSが賑わっていたものだ。というのも店主のキャリアが凄い。直近の修行先が今や全国区の知名度を誇る超人気店「清乃」、そして他にも大阪の有名店(非公表)。否が応でもラーメンファンの期待は高まるので、そのプレッシャーも大きかっただろう。エリートと言ってもいいくらい華やかなキャリアを築いてきた店主だが、提供するラーメンは和歌山系ラーメンと鶏清湯の二本!インパクトではなく、自分の学んできたラーメンを丁寧に作っていきたい!って実直な姿勢が感じられて、とても好感を持てた。この場所、修行先の選択、提供してるラーメン、いろいろ聞いてみたいことがある。「武田中華そば」武田店主にKRK直撃インタビュー! 


- 出身は?

「大阪の泉佐野です。」

 

- 料理に興味を持ったのは?

「元々、小さい頃から和歌山ラーメンを食べに連れて行ってもらったりしてて、ラーメンが好きだったんです。大学を卒業してしばらくサラリーマンをしていたんですが、ちょっと自分には合わないかな?って思いました。それで興味あるラーメンの世界に入ることを決心しました。」 

 

- 最初からいきなり有名店に入ったんですね?

「そうですね。ネットで調べて、某店を選びました。当時、凄い勢いで人気急上昇中だった店です。26歳の頃でした。その時はいつか独立とかは全く考えていなくて、とりあえず入ってラーメンの作り方を知りたいなって程度でした。」

 

- ラーメンの世界に入ってどうでしたか?

「やっぱり厳しかったですね。働く時間も長かったので何回もやめようかなって思いましたが、なんとか続けれていました。当時、その店はどんどん店舗展開していくところだったので、人も足りなかったので短時間でいろいろ教えてもらえました。そして1年経った頃から支店の方で店長をやらしてもらいました。店長してたのが2年くらいですね。今は付き合いが無いので店名は非公表でお願いします。」

 

- その店を離れることに?

「ラーメンの世界に入ってみて、自分に調理技術が無いことが分かりました。包丁も使えなかったので。それで調理技術を上げたかったのでその店を離れて、もうワンステップとして某ラーメン店で働くことにしました。そこでは半年ほどお世話になったんですが、本当にいろいろ教えてもらえました。その時点でも自分の店は考えていなかったですね。逆にこの店で働くことによって『やっぱり自分は甘いな~』って思い知らされました。」



- そして次のステップへ?

「『ちゃんとした料理を習いたい』って思い、和食の店で働くことにしました。京都の店です。そこでイチから習いましたね。包丁の技術から出汁の取り方、多くのことを学べました。その店では3年間ほどお世話になりました。その頃には自分の技術にも自信が出てきたので、『独立したいな』って気持ちが出てきました。」

- ずっとラーメンが頭にはあった?

「やるならラーメン!ってしか思わなかったですね。それで和歌山の清乃さんでお世話になることにしました。ネットで調べてたら清乃さんの近鉄店が募集してたので、『近鉄店なら自宅から車で通えるな』って思いました。」

 

- 独立のきっかけ?

「清乃さんでは近鉄店と3号店の方でいろいろ経験を積ませてもらいました。いよいよ資金がたまってきたので、原田さん(清乃店主)に独立したいと伝えました。『応援するよ』って言って頂きました。」


武田中華そば(2017年6月10日オープン)


- 場所はやっぱり地元でってことですか?

「地元の周辺で探していました。遠い所では堺の方にも見に行きましたが、ピンと来る所が無かったですね。やっぱり駐車場が一番のポイントだったんです。今の場所は7台ありますが、他では無かったので。居酒屋の居抜きでしたが、内装はもう全部変えましたね。」

 

- 屋号は悩みましたか?

「僕の名字が『武田』。一応、土地柄、〇武(マルタケ)とかも考えたんですが、屋号はシンプルなのでいいかなって決めました。」



- 武田中華そばのラーメンは?

「和歌山ラーメンがやりたいなって思っていました。あとは清湯の醤油ラーメン、二刀流でって。鶏醤油は大阪で修行させてもらった店の影響が大きいですね。 」

 

- 今の課題?

「今、中華そばの質を上げたいなって試行錯誤してるところです。意識してる店は正善さん(和歌山市)です。和歌山系の中でもちょっとあっさり系って感じで、『ああいう感じにしたいな』って思っています。通常よりかは鶏を多めにしていて、あとは臭いですかね。あまり付けない方がいいって言われるんですが、僕は多少は付けた方がいいって思うので試行錯誤しています。」

 

- 今後?

「和歌山(中華そば)がもうワンランク上って味が出せるようになったら、いろいろ他にもやっていきたいとは思っています。冷やしとかもしたいし、『あて』とかも出したいですね。」

 

- 最後に一言お願いします。

「派手さはないですけど、シンプルで飽きない、また食べたくなる味をどのラーメンも目指して作っています。また来たいなって味を目指しています。宜しくお願い致します。」



<店舗情報>

■武田中華そば

住所:大阪府阪南市和泉鳥取1064

店twitter:https://twitter.com/taketyuu0610

2017年6月10日オープン。

 

(取材・文・写真 KRK 平成29年10月)