Vol.93:ラーメン あおやま


 2017年3月、大阪府枚方市に気になるラーメン店がオープンした。屋号は"ラーメンあおやま"。店主は元々、ラーメンブログをしていたほど熱心なラーメンファンだった方で、京都府与謝郡の人気店"麺屋チャクリキ"での数年間の修行を経て、地元で独立開業。特筆すべきはその修行先!"麺家チャクリキ"と言えば、他店では味わえないオリジナル感たっぷりの魅力的なメニューの数々で熱烈なファンが多いお店だ私自身も何度かチャクリキへ行っていてラーメンは確かに美味いんだが、「本当に関西か?」と思うほどとにかく遠かったという印象だ。そんな遠いお店で数年間も修行をしてきたんだから、店主のラーメンへの熱い気持ちがダイレクトに伝わってくる。どんな方なのか話すのが楽しみだ。"ラーメンあおやま"青山店主に、KRK直撃インタビュー!


- 出身は?

「枚方市です。ここが地元です。」

 

- ラーメン屋をするまでは?

「元々、ウチの家業がこのビルの2階にある学習塾なんです。それで僕も学習塾で10年間ほど勤めていました。」

 

- ラーメン食べ歩きは長くされていたんですか?

「大学生の時から食べ歩きはしていたんですが、ちょうどウチの塾で働くようになってからいろんなお店に行くようになりましたね。ラーメンブログを始める前はmixiがとても流行っていたので、自分のラーメンデータベースをmixiで作ったりしていました。それからラーメンブログを始めて、大学が京都だったので京都を中心に食べ歩いていました。京都、滋賀、大阪、少し奈良って感じでしたね。その頃には家で自作ラーメンもしていて、その時から将来的にラーメン屋ができたらいいなと思っていました。」

 

- 自作ラーメンを始めたきっかけは?

「当時、僕がよく拝見していたブロガーさんが自作マニアの方で、自分で作っている経緯をブログに載せていらっしゃったんです。それを見て自分もやってみようかなと思いました。」



- 修行先に"麺家チャクリキ"を選んだ理由は?とても遠いお店ですよね?

「僕は釣りが好きで、毎月、丹後の方に行っていたんですよ。それで釣りの後にチャクリキで食べて帰ってくるというのが定番コースになっていたんです。あわよくば『チャクリキで修行できたら、毎週釣りができるかな』という感覚でしたね(笑)。」

- すぐに修行を始めたんですか?

「チャクリキの店主さんにfacebookからメッセージを送ったんですよ。すると『ぜひぜひ!』と返事があり、すぐに決まりました。将来的に独立したいことも伝えていました。それでチャクリキのすぐ近くにあるアパートを借りて、住み込みで働くことになりました。修行の期間に関しては何も考えていなかったですね。実際、どのくらいで身に付くのかも分からなかったですから。」

 

- 初めてラーメン屋で働いて、どうでしたか?

「やっぱりしんどかったです。身体が壊れるかと思いましたね。チャクリキは繁盛店だったので、一回で作るスープの量も桁違いに多かったので、腰を痛めたことも何回もありました。」

 

- "くじからラーメン"にはいつから?

「僕がチャクリキに入った段階で、オーナーの今西店長が2号店を出すという計画で動いていたんです。僕が行ったとほぼ同時期に"くじからラーメン"がオープンしました。チャクリキはメインは豚骨魚介なんですけど、くじからは鶏ガラベースの溜まり醤油を使った所謂ブラック系です。チャクリキにいる時は正直、自分が作りたいなってラーメンを作れる時間の余裕が無かったので、それもあって"くじから"の方がいろんなことができると聞いていたので、『移りたいです!』と頼みました。向こうに行って最初の1年半をチャクリキで、後半の1年半を"くじから"で学ばせて頂きました。合計3年間ほどですね。」

 

- "くじから"に移ってから、独立へ向けての試作をしていたんですね。

「今、レギュラーで出してるモノのプロトタイプみたいなものを作っていましたね。とても勉強になりました。」

 

- チャクリキで学んだことは?

「ラーメン屋としてお店をどうやって回すかとか、地盤になるところを学ばせて頂きました。」


ラーメンあおやま(2017年3月31日オープン)


- いよいよ独立に向けて動き始めるんですね。

「チャクリキを2016年末に卒業して、ここをオープンしたのが翌年の3月31日。工事期間は約1ヶ月ほどでしたね。」

 

- 場所は地元と決めていたんですか?

「そうですね。ウチの母がこの周辺でいろいろ探してくれていたんですが、なかなか物件が無かったんです。それでこの場所が元々、ウチの学習塾の事務所として使っていた所なんですが、『ここを改装してやろう!』と決めました。」

 

- このエリアはラーメン屋がまだまだ少ないですね。

「はい、本当にそうですね。同業だから嫌とかじゃなくて、いろんなお店に集まってきて欲しいです。僕もいろいろ食べに行きたいですし、やっぱり盛り上がると楽しいので。それで『枚方に行けばラーメンが美味しい店がたくさんある』という風に認知されるようになれば嬉しいですね。」


【KRK動画】提供しているラーメンについて


- 提供するラーメンはいろいろ考えていたんですか?

「鶏白湯は絶対にしたかったんです。元々、伏見にあった"はなふくさん(現:晴耕雨読)"がとても好きだったんですよ。当時、鶏白湯を食べて衝撃を受けたのが、はなふくさんと吟醸らーめん久保田さんでした。チャクリキでは鶏白湯を出していなかったので、僕は鶏白湯を作る知識も技術も無かったんです。当時から久保田さんとは繋がりがあったので、僕が"くじから"に移って自分のラーメンを試作するってなった時に、久保田さんに電話して『鶏白湯を教えてください』と頼みました。久保田さんは凄く優しい方で『じゃあ一緒にスープとろう。おいでおいで!』と言ってくださって、くじからが定休日の時、久保田さんに来てイチからスープの取り方を教えて頂きました。久保田さんは僕にとっては心の師匠です。僕が今、いろんなラーメンを作っていますけど、ベースになっている作り方って意味では久保田さんの影響が一番大きいと思います。」

 

- 他にも影響を受けたお店とかあるんですか?

「"くじから"で生醤油の試作をする時は、鶴麺(大阪)の西村さんにアドバイスを頂きました。最初に生醤油系で僕が影響を受けたのは鶴麺さん。食べ歩きをしていた頃、大阪では一番通っていたお店です。

 鶏ブラックでは滋賀県の"ととち丸さん"にアドバイスを頂きました。僕がブラック系で一番好きだったのがととち丸だったので、大将に『これ、どうやって作るんですか?』と聞いたんです。だからウチのブラックの醤油ダレは、ととち丸さんが使っている醤油の蔵を紹介してもらって使っています。」

 

- 醤油にはかなり拘っているんですね。

「いろんな醤油を試したんですけど、やっぱり群馬の"日本一しょうゆ"。それからもう1つは祖母が島根県だったので、島根県の醤油を使いたいと思いました。"島根県 生醤油"でネット検索したら、たまたま今使っているカネモリ醤油を見つけました。そしてブラックの醤油は滋賀県の醤油ですね。3種類ブレンドしたら自分の好みの味に仕上がったので、この3つで決めました。」

 

- 他の食材にも?

「鶏ガラに関しては絶対条件として冷凍じゃなく、生のガラを使いたかったんです。冷凍が駄目ってわけじゃなくて、どうしてもフレッシュなものを使いたかったんです。『どうにか生の鶏ガラが入らないかな?』とネットで探して、今の業者を見つけました。それまで冷凍のでいろいろ試作はしていたんですが、生のガラを仕入れていざ試作したら、僕の中でとても良いものができたのですぐに決めましたね。」



- 今後の展開は?

「今はこのお店を回すので精一杯ですが、それが一番楽しいんです。鶏白湯が圧倒的に出るんですけど、限定で塩を作ったりもしています。そういう"あっさり系の塩"とか"生醤油"にももっと力を入れたいなって思いますね。

 2号店とかはまだ現実的でないんですが、将来的にはそういう可能性もあるかもしれません。僕は郊外である程度、街の空間的にもゆとりがある所でしていきたいので、いつか2号店をするとなっても市内には絶対に行かないと思いますね。」


 <店舗情報>

■ラーメンあおやま

住所:大阪府枚方市南楠葉1-6-10 シャトー東 1F

Twitter:https://twitter.com/menkuipiranist

Facebook:https://www.facebook.com/piranist55/

 

 (取材・文・写真 KRK 平成30年6月29日)