Vol.103:らーめん ど真ん中


 茨木エリアがまだラーメン激戦区になる前、2012年6月、豚骨を売りにした新店がオープンした。屋号は"ど真ん中"。店主は京都の名店"吟醸らーめん久保田"出身。今でもそうだが、豚骨メインのお店が少ない大阪で、小細工なしに純豚骨で勝負をかけているこのお店に好印象を持ったものだ。

 6周年を迎えたばかりの人気店に取材する時間を作っていただいた。何度か話したことはあるが、今回は修行時代からのことを聞いてみようと思う。"ど真ん中"多田店主に、KRK直撃インタビュー!


- 出身は?

「大阪の吹田、江坂です。小学校の頃までずっと吹田にいて、それから親の仕事の関係で、中学校は台湾にいたんです。それから日本に帰ってきて、ずっと北摂、高槻とかいろいろ転々としていましたね。」

 

- ラーメンは好きだったんですか?

「もちろんラーメン食べるのは好きでしたよ。バイクに乗っていたので、友達とツーリング行く時の目的地を各地のラーメンや味噌カツとかにして、いろいろ廻っていましたね。」

 

- 当時のお気に入りは?

「いろいろ行っていましたが、水口の天下ご麺(滋賀県甲賀市水口町)は好きでしたね~。ツーリングで1~2時間くらいかけて行っていましたからね。友達が美味しいところあるから行ってみようやって教えてくれたんです。もう15年くらい前の話ですね。」



- ラーメンするきっかけは?

「30歳まで他の仕事をしていたんですが、このままだとなんか未来ないな~、何かしようと思って辞めました。そして『好きなことをやってみよう』と思い、頭に浮かんだのがラーメン屋でした。そして水口の天下ご麺に電話したんです。」

 

- 遠い店を選んだんですね?

「当時、高槻に住んでいましたから、遠かったですね(笑)。途中から向こうに引越ししました。やっぱり天下ご麺が好きだったんですよね。それで社員として1年半ほどお世話になりました。それが13年前くらいですね。」

 

- 初めてラーメン屋で働いて、どうでしたか?

「天下ご麺は凄い忙しいお店だったので、とても大変でしたね。200食以上を18時までに売ってしまうほどの人気でしたから。でもそれがとても楽しかったんです。性に合ったんでしょうね。」

 

- 当時、独立志望はあったんですか?

「最初の面接の時から、将来独立したいと伝えていました。」


- 天下ご麺を離れて、次の修行先へ移ったのは?

「水口の当時の店長さんが『天下ご麺だけじゃなく、他のラーメン屋でも経験を積んだ方がいいんじゃないか?』とアドバイスを下さったんです。それで次に京都の久保田さん(吟醸らーめん久保田)のとこに行ったんです。」

 

- 次に久保田さんを選んだ理由は?

「京都に住んでいる友達と京都のラーメン屋巡りを何度かしていたんです。それである日、久保田さんにも初めて行ったんです。10年くらい前ですね。その時に食べたのが醤油ラーメンだったんですが、とにかく美味しかったんですよね~。ちょうどスタッフ募集をしていたので、すぐに『働きたい』とお願いしました。」

 

- 久保田での仕事はどうでしたか?

「約2年ほどお世話になったんですが、いろいろやらせてもらいましたね。清湯も鶏も豚骨も全部やるお店なので、とても勉強になりました。」


ど真ん中(2012年6月15日オープン)


- 場所はいろいろ探したんですか?

「人生の中で大阪の北摂に長く住んでいたので、自分の店をするならこの辺りでしようと決めていました。」

 

- 自分の店で提供するラーメンは悩みましたか?

「鶏は全くやる気なくて、自分の性に合ったのが豚骨でしたね。それで修行時代、久保田さんにもいろいろアドバイスも頂きながら、提供するラーメンを仕上げていっていました。」

 

- オープンして、お客様の反応は?

「年配のお客様が多かったので、最初の頃は残す方も多かったんですよね。それで途中から麺を変えたんですが、それからマシになりましたね。最初の麺はスープを持ち上げ過ぎていたのかもしれません。万人受けの麺に変えてから、一般の方も徐々に来てくれるようになってきましたね。」

 

- 豚骨以外のラーメンの提供は考えていなかった?

「例えば、学生さんグループが『北摂で豚骨、どこに行こう?』となった時、ど真ん中が頭に浮かんでもらうようになりたかったんです。だからオープンしてから、豚骨だけで行けるとこまでいこうと思ってずっとやってきました。あと、僕が何でもできないってのもありますね。いつか余裕が出てきたら、限定で清湯とかしてみたいとは思っています。」

 

- 日替わり限定については?

「基本、ウチのスープは豚骨だけ。それで常連のお客様のために選択肢も必要だと思ったので、豚骨の中でどこまで枝分かれできるかと考えました。」



- 多田店主が大事にしていること

「手を抜かないこと。スープがブレますからね。店が混んできた時に『スープはもういいわ』って火を切ったら駄目なんですよね。するとシャバくなるんです。ちょっとしたら焦げてしまうので難しいんですけど、そういう場面でも手を抜かないってのを経験して覚えました。高菜も自分で炒めて作っています。手造りで手を抜かないってことを大事にして、頑張っています。」


【KRK動画】屋号の由来、ラーメンの紹介


 <店舗情報>

■らーめん ど真ん中

住所:大阪府茨木市宇野辺2-13-11

Twitter:https://twitter.com/noodlista

 

 (取材・文・写真 KRK 平成30年7月25日)