Vol.107:友愛亭


 多くの観光客で連日賑わっている日本橋の電気街。その人気スポットの南端辺り、静かな路地に入ると一軒のラーメン屋がある。そのお店は"正油ラーメン専門店"と謳い、提供されているラーメンはどこか懐かしさを感じる、心に沁みる味わいだ。

 店内に所狭しと飾られている格闘技系のポスター、そして"右ストレート"などの個性爆発のメニュー名。店主と話すのは初めてだが、聞いてみたいネタが満載だ。"友愛亭"中西店主にKRK直撃インタビュー!


- 出身は?

「大阪市内の西成区です。」

 

- ラーメン屋をするきっかけは?

「音楽をずっとやっていて、レコードも何枚か出して活動していましたが、結局芽が出ず、やめた時に抜け殻のようになってしまいました。その時に、当時付き合っていた今の嫁さんから『あんた、ラーメン作るの趣味なんだから、ラーメン屋をしてみたら?』って言われたんです。」

 

- ラーメンを自作してたということは、かなりラーメンに嵌まっていたんですね。

「そうなんですよ。鶏ガラ買ってきて、野菜と一緒に炊いたりしていました。いろんなお店で食べるというよりは、子供の時に親父や兄貴に連れていってもらっていたノスタルジックな感じのお店の味がずっと好きでした。だから、それと同じのを作りたいなって気持ちがありましたね。」 


正油ラーメン専門店 友愛亭(2014年6月1日オープン)


- 屋号の由来は?

「僕の名前、友彦から"友"、そして嫁さんの名前から"愛"。二人のお店にしようかということで、"友愛亭"と決めました。」

 

- 飲食の経験はあったんですか?

「飲食店でアルバイトとして働いた経験はありましたが、横の繋がりも全く無いまま、手探りでお店を始めたって感じでしたね。開店前にオペレーションだけでも勉強したかったので、某ラーメン屋さんでアルバイトとして1ヶ月間だけお世話になりました。」

 

- この場所に決めた理由は?

「もうちょっと北の方、千日前とか難波の方だと夜遅くまで営業するのが条件になってくると思うんですけど、僕はなるべく昼間メインのラーメン屋をやりたかったのがあります。逆に夜に寂しくなってしまうこともあるんですけど、早い時間にお客さんがたくさんいるこのエリアがいいかなと思いました。」



- 醤油専門店でしようと思った理由は?

「僕はラーメンマニアの方達みたいにいろんなラーメン屋を食べ歩いたって経験が無く、街中にある中華料理屋さんのラーメンとかが好きだったので、自然と醤油ラーメンになりましたね。昔ながらの、上に玉葱や玉子の殻が浮いてるような寸胴に憧れていました。だから小鍋で一杯ずつ温めるスタイルじゃなくて、寸胴から直接のスタイル。見た目も『その方が中華そば屋っぽいな!』と思ってしています。」

 

- 醤油にはかなり拘っているんですか?

「はい、拘っているつもりです。自作していた時代から、とりあえず生醤油、溜まり醤油、九州や北陸、青森とかから美味しいとされている醤油を全部取り寄せてしていました。どの醤油も美味しいんですけど、なかなか自分が作りたいラーメンに合う商品が無くて、その中で一周して、結局、家にずっとあったヒガシマル醤油、そこに戻りましたね。それで今はヒガシマルで統一しています。」

 

- 使用している麺は?

「製麺所の方にお願いして、特注麺でやらしてもらっています。今は3種類ですね。ウチはノスタルジックを目指しているので、メインとなる右ストレートの麺には、自家製麺している皆さんが最近、省いている"かん水"というのを敢えて入れてもらって、麺を持ち上げた時にかん水の香りが立つようにしています。」



- オープン時のメニューは?

右ストレート、カミソリパンチ、ヘヴィ、この3種類でしたね。」

 

- 店内にボクシング関連のポスター、そして個性的なメニュー名、その理由は?

「ボクシングは小学校3年くらいから習っていましたし、今でも大好きなんです。ボクサーの方や、格闘技関連の方もお店によく来てくださるようになりました。ラーメン屋さんのメニューって、醤油ラーメンとか塩ラーメン、鶏そばが多いので、ウチでは何か違う名前でしたいなと考えました。一番最初、カミソリパンチが思い浮かびましたね。」

 

- それから徐々にメニューを増やしていったんですね。

「賄いでスタッフが美味しいと言ってくれたものを、もうちょっと突き詰めていって商品として昇格させたりします。あと、ウチの昼は常連さんが多いので、いつものと違うラーメンを提供できたら喜んで頂けるので、なるべくそういう機会も増やしていきたいなと思っています。軸の3種類をブレさせないで、ちょっと遊び心をいれていくという気持ちでしています。」



- オープンしてから順調でしたか?

「1日40人ほどの日もあって、最初は厳しかったです。本当に徐々に定着していったという感じです。」

 

- 醤油専門店ですが、醤油以外に浮気は(笑)?

「限定では浮気しています(笑)。塩どころか、味噌までしたりしています。」

  

- 一番のオススメは?

「お店の基本味、ヒガシマルの薄口と濃口をブレンドした右ストレートをオススメしています。昔ながらの中華そばの感じで仕上がっています。」

 

- 最後に一言お願いします。

「大阪には進化系と呼ばれる新しい食材、新しい調理法を使った美味しいお店がたくさんあります。その中で、ウチの基本はノスタルジック、懐かしさというのがあるので、時代に逆行するような作り方なんですけど、敢えて引き算のラーメンというのをテーマに挙げてやるようにしています。オープン当初は鶏ガラに昆布、リンゴや豚肉などを一緒に炊いたりしていた時期もあるんですけど、徐々に引いていって、今は鶏ガラだけになりました。具材も見栄えがいいかなと思い、煮卵半分、小松菜とかいろいろ乗せていた時期もあったんですけど、今はメンマ、チャーシュー、ネギだけでさせて頂いています。

 今風のお洒落なラーメンは得意じゃないんですけど、昔ながらの懐かしい味のラーメンを味わいに来て頂けたらなと思います。宜しくお願い致します。」



 <店舗情報>

■正油ラーメン専門店 友愛亭

住所:大阪府大阪市浪速区日本橋4-12-1 マルタビル 1F

Twitter:https://twitter.com/yu8o9bkrxJTFPpz

オープン日:2014年6月1日

 

 (取材・文・写真 KRK 平成30年8月17日)