Vol.144:らぁ麺 紬


 「ミシュランガイド熊本・大分2018特別版」にビブグルマンとして熊本市の一軒のラーメン屋が掲載された。店主は元々は関西に長くいて一度お目にかかっている方だ。直接話した記憶は無いが、共通の知人から熊本市でラーメン屋をしていると伝え聞いていた。

 そのお店が2018年にビブグルマン掲載と聞いたので、今回、九州へ行く用事があったので取材をする時間を作っていただいた。"らぁ麺 紬"小林店主にKRK直撃インタビュー!


- 出身は?

「熊本県の天草市です。」

 

- ラーメンはずっと好きだったんですか?

「天草にはラーメン屋が無かったので、当時はラーメンを食べたことがほぼ無かったんです。天草市には今でも全然無いですよね。」

 

- 大阪に来るきっかけは?

親戚が大阪で建築関係の社長をしていて、兄弟も住んでいたのでなんとなく来ました。特に理由も無かったですね。大阪に来てずっと建築関係の仕事をしていました。大阪には16年ほどいて、今でもよく行っています。」

 

- 大阪に来てからラーメンに出会ったんですね。

「ラーメンに嵌まった最初のきっかけは彩々というお店。針中野時代の彩々です。味噌で有名なお店でしたが、九州に味噌って文化が無いので僕はいつも清湯の塩でしたね。後に店主から味噌を薦められて食べたら、味噌にも嵌まりましたね(笑)。彩々はめちゃくちゃ美味かったですね。」

 

- 彩々をきっかけにラーメン食べ歩きも始めたんですか?

 「仕事でいろんな所に出張に行くようになってから、更にラーメンに嵌まっていきました。そしてある時、彩々の近くの居酒屋で僕が店の人とラーメンの話をしていたら、そのお店の人がラーメン好きな方を紹介してくれたんです。その方がラーメン業界ではかなり有名な方だったので、それからいろんな繋がりができて仲間が増えていき、ラーメン食べ歩きにどんどん嵌っていきました。

 その頃に仲間たちと一緒に参加した第1回らの道スタンプラリー(2012年)は楽しかったですね。それぞれのお店が遠くて、でも美味いお店ばかり。みんなで一緒に旅している感じで、ラーメンついでに各地のご当地グルメを食べて、夜は飲み会。全部ひっくるめて楽しかったです。」


- ラーメン屋をしたいと思ったきっかけは?

「30歳になった頃に地元熊本の友達と交流するようになってきて、それを機に熊本に時々帰ってくるようになったんです。それで熊本のラーメンを食べ歩こうと思って、熊本県内のラーメンを食べまくっていました。それから宮崎や大分にも行くようになって、徳島ラーメン、香川のうどんにも嵌まっていましたね。

 それぞれ美味しいんですが、自分の好きな清湯のラーメンが熊本には全然無かったんです。それで熊本で自分でやってみようかなと考え始めました。熊本の人も清湯を食べられるお店が無いだけで、きっと気に入ってくれる人もいるはずと思いました。」

 

- ラーメン屋をしたくなってからは?

「3年くらい構想を練っていましたね。その頃に知り合いのラーメン屋が熊本のラーメンフェスに参加すると聞いて、お手伝いすることになったんです。その時に『やっぱりラーメンはいいな~』と改めて思いました。」

 

- 清湯をしたいと既に決めていたんですね。

「もう100%清湯。鶏で清湯と決めていました。元々、学生時代は和食のお店でアルバイトをしていて、ダシを引いたりとかが好きだったんです。清湯ってゆっくりダシを引く、それが面白そうだな~と思っていました。」

 

- どこかで修業もしたんですか?

「大阪の某店でお世話になり、いろいろ学ばせてもらいました。」


らぁ麺 紬(2017年7月27日オープン)


- 場所はいろいろ探したんですか?

「熊本で震災があった後だったので、なかなか見つからなかったですね。この場所はたまたま紹介してもらえて、いろいろ考えた上で決めました。建築での経験があるので、内装もスケルトンから自分で作り上げていきました。」

 

- 屋号の由来は?

「『紬』という漢字も好きだったし、着物にも『紬合わせていく』ってのがあるんです。僕は大阪に行ってなかったらラーメン屋をやっていなかったと思います。麺を通して繋がった仲間がいて、僕の人生に大きな影響を与えている。そういう意味合いも含めて、『らぁ麺 紬』に決めました。」


メニュー(2019年10月23日時点)


- オープン時のメニューは?

「清湯と白湯。こっちの人は濃いのが好きなので白湯も必要だろうと思いました。どっちかと言えば清湯の方が不安でしたね。実際、白湯がやっぱり人気です。」

 

- 商品の説明をお願いします。

「名古屋コーチンを炊いたスープに魚介もちょっと入れています。」

 

- 小林店主が大事にしていることは?

「スープは絶対に自分で炊くことです。あとはやっぱり自分のいいと思う食材を使うこと。今は名古屋コーチン。高いんですけど、やっぱり味が違うので仕方ないんですよね。僕は熊本が地元なので熊本の食材を使いたいって気持ちもあるんですけど、名古屋コーチンを知ってしまったらやっぱり違う。自分が一番いいと思うものをこれからも使っていきたいです。」


塩らぁめん


 <店舗情報>

■らぁ麺 紬

住所:熊本県熊本市中央区花畑町12-11 グリーンホテル B1F

instagram:https://www.instagram.com/raamen.tsumugi/

twitter:https://twitter.com/RamenTUMUGI

オープン日:2017年7月28日

 (取材・文・写真 KRK 令和元年9月30日)