Vol.179:塩そば まえだ


 今回取材するお店は広島県三原市にある「塩そば まえだ」。以前にSNSでこのお店のラーメンの画像を見た時に心を奪われて、ずっと気になっていたお店だ

 今回初めて三原市へ行く機会があったので前田店主にお願いして取材する時間を作ってもらい、いろいろ話をさせていただくことになった。"塩そば まえだ"前田店主にKRK直撃インタビュー!


- 出身は?

「広島県三原市です。ここが地元です。」

 

- ラーメンを食べるのは好きだったんですか?

「小さい頃からよく食べていましたね。(三原市で)サラリーマンをしていた頃は近場の尾道だけでなく福山や広島、関東や関西にもいろいろ食べに行っていました。その頃はほぼラヲタ(ラーメンフリーク)でした。」

 

- どんな系統のラーメンが好きだったんですか?

「『これは美味しいな!』と思うのは端麗系が多かったですね。」


- その頃にはラーメン屋をしたいという気持ちはあったんですか?

「食べ歩きをしていた頃からずっとラーメン屋をやりたいなという気持ちはありました。しかし家族がいるのでそんな簡単に決めることができなかったですね。そして30代後半になった頃、『このままずっと悩んでいても仕方ないので、とにかくラーメン屋をやってみよう!』と思いました。只、そう思ったのが嫁のお腹に二人目の子供がいたタイミングだったので(笑)、ストレスを与えたら駄目だと思ってしばらく黙っていて、2人目の子供が生まれて落ち着いたタイミングで打ち明けました。嫁に『話があるんだけど』って言うと、嫁は『え、何?』という感じでしたね(笑)」

 

- 凄いタイミングですね(笑)

「すると嫁が『やりたいならいいよ』と言ってくれて、意外とすんなりと受け入れてくれました。あれは嬉しかったですね~。もし反対されたらやめようと思っていたんです。家族に反対されながら上手くやれるわけはないしって。」



- ラーメンの作り方はどこで学んだんですか?

「ラーメン屋をするなら絶対に自家製麺もしようと思っていたので、香川県の製麺屋さんに相談に行ったら、東大阪市のラーメンドリームアカデミー(公式HP)というラーメン学校を紹介してくれました。」

 

- 授業はどんな感じだったんですか?

「毎日3種類くらいのスープを炊いたり、もちろん製麺についてもきっちり教えていただきました。期間は1週間でした。」

 

- その頃には自分のお店で提供したいラーメンは頭に浮かんでいたんですか?

「やっぱり端麗系の塩ラーメン。ラーメン学校を卒業後、物件を探しながら、自作も本格的に始めました。学生時代に大阪に住んでいた頃にラーメン屋で2年間アルバイトをしていて、そのお店がアルバイトにもいろいろ任せてくれるお店だったので、厨房の流れとかはその時になんとなくですが学んでいました。」

 

- 場所は地元ですると決めていたんですか?

「そうですね。三原市内でずっと探していましたから。」


◆塩そば まえだ(2016年2月2日オープン)


- 屋号の由来は?

「設計屋さんと『屋号をどうしようかな?』と話していた時に、僕は名字を使いたかったので前田屋とかの案もありました。それから『"まえだ"でいいんじゃないの?』という意見も出て、『それいいな!』となって決まりました。そしてラーメンというよりは"塩そば"の方が雰囲気いいなと思ったので、屋号の正式名称は"まえだ"なんですけど、ネットとかでは"塩そば まえだ"としています。」

 

- いよいよオープンして、お客様の反応はどうでしたか?

「この地域は醤油ラーメンが強いので、オープン当初は『なんで塩ラーメンなの?』とかなり言われましたね(苦笑)。でももう"塩そば まえだ"と看板とかに付けちゃっていたので、これはなんとかするしかないなって。もし"塩そば"と付けてなくて、屋号が"ラーメンまえだ"とかだったら(看板メニューを)醤油ラーメンに変えていたと思う(笑)。だから今となっては逆に良かったと思います。この周辺は塩のお店がありませんので競合店がいないですからね。」


◆塩そば


- 商品はオープン当初からだいぶ変わっているんですか?

「かなり変わっていますね。オープン当初は鶏白湯と煮干しを合わせた濁った感じで、ちょっと濃厚なのを提供していました。」

 

- 現在の商品の紹介をお願いします。

「オープン当初は豚骨、鶏、野菜、乾物とかいろんなものを入れていたんです。それから徐々に引き算していって、今は鰹節、乾燥椎茸、いりこ、真昆布、この4種類だけです。ラーメンのスープは動物系ゼロで入るのはチャーシューだけ。油も植物油を使っています。」

 

- 動物系オフに至った理由は?

「自分が仕込みをしている時にだんだん臭いが駄目になってきて、自分が嫌な臭いと思うものをお客様に出したくないなと思いました。当初は動物系と魚介を1対1の割合でWスープにしていたんですが、それから徐々に乾物系の割合を多くしていくと、その方が美味しいなと感じました。それで『それなら100%にした方が自分に合ってるな』と思って、思い切って動物系オフにしました。」

 

- 自家製麺については?

「僕は細麺が好きなんですよ。ウチは塩、醤油、(不定期で提供している)つけ麺、全て同じ麺を使っているんです。それぞれに違う麺を合わせるのもそれはそれで正解だと思うんですけど、僕はこの細麺にスープを合わせていくというイメージでしています。同じ麺でも茹でる時間、冷やし方、いろんなやり方で全然食感が変わってきます。」

 

- つけ麺の紹介をお願いします。

「つけ麺は不定期で"つけ麺のみ営業"として提供しています。ウチのつけ麺は麺に味を付けているんですよ。昆布水つけ麺とかあるでしょ?あれの水が無いバージョンで、ドロっとしたのを麺に絡めていて和えそばみたいな感じになっています。その麺をつけ汁に浸けながら食べていただきます。家で素麺を食べている時に、だんだん味が薄くなってくるので『麺に味を付けた方がいいんじゃないか?』と思い付いたんです。」

 

- つけ麺のレギュラーメニューでの提供は?

「つけ麺はもっとしたいんですけど、オペレーション的にちょっと難しいですね。目指すのはそのままスープに浸けずに食べてもらって、気づいたらもう麺がほとんど無くなっていたって。そのくらいの麺ができたらって思います。」

 

- やりたいことがまだまだありそうですね!

「タレも調味料も塩も使わずにやってみたいし、火を使わないラーメンもやってみたいと思っています。いりこや昆布にはある程度、塩分が含まれていますから。そういう自分が楽しんでできることをどんどんやっていきたいですね。」


- 前田店主がラーメン屋として大事にしていることは?

「いろいろ遊びも入れながら楽しんで作ること。その中で変化していくってことを大事にしていきたい。ベースのスープもやりたいことがいろいろあります。今のやり方でもある程度お客様が来てくださっていますが、現状で満足するのではなく、今後もどんどん変えていきたいなって考えています。」



 <店舗情報>

■塩そば まえだ

広島県三原市宮浦3-17-8

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オープン日:2016年2月2日

 (取材・文・写真 KRK 令和2年6月29日)