Vol.210:桐ちゃん製麺


 2020年12月、大阪の名店「桐麺」が本店の近くに製麺所をオープンした。そのハイクオリティの自家製麺で名を馳せる人気店だが、この製麺所では桐麺の生麺(生桐麺)が直接購入できるということだ。桐麺の麺の大ファンの私だから、これはビッグニュースだ!"桐ちゃん製麺"桐谷店主にKRK直撃インタビュー!



- 製麺所をする構想はいつから?

「今まではとにかく狭い所で製麺をしていたので、広い所で大きな冷蔵庫を使ってやりたいと思っていました。熟成期間を延ばしたいとか、いろいろしたいことがありましたから。この場所は店の近くなので1年前くらいから狙っていました。最初にやろうとした時、コロナの第1波が来たので一回中止にしたんです。それで(2020年)10月くらいにここでやると決めました。」

 

- 屋号はいろいろ考えたんですか?

「最初から"桐ちゃん製麺"にしようと思っていました。」

 

- 営業はいつから始めたんですか?

「まずスープの仕込みとかを11月中頃から始めて、麺販売を始めたのが12月中頃です。」

 

- 大きな冷蔵庫が目立っていますね!

「麺を寝かせる『麺専用の冷蔵庫』です。今までは狭い所でしていたので寝かす時間がとれなかったんですが、今は麺帯の状態で冷蔵庫でラーメンだったら5時間、つけ麺だったら8時間寝かせています。その後に伸ばし切り出しをし、そしてまた2日間冷蔵庫で寝かせて、4日目にお客さんに提供します。今の僕の麺のベストは打ち始めて4日目なんですよ。それをお客さんに提供したくて、それを叶える設備を整えました。」



- 販売している商品の紹介をお願いします。

「生麺(生桐麺)を一玉160gで販売しています。お客さんから『どうやって食べたらいいの?スープは無いの?』とか麺に合ったものが欲しいとリクエストが増えてきたので、それで『ぶっかけダレ』を作りました。うどん屋さんで麺にぶっかけて食べるだけってのがあるじゃないですか。ああいう手軽で家でも美味しく楽しめるのを作ろうと思って、鶏清湯と魚出汁と塩ダレであっさりしたスルスルといけるのを作りました。茹でた麺に和えて食べるだけの生桐麺ぶっかけダレセットとして販売を始めました。」



- 以前の取材では東京に挑戦したいとおっしゃっていましたが?

「昔はTRYやミシュランを獲りたいと思っていて、東京に行って一花咲かせようと思っていましたが、今はそれより美味いラーメンを作りたいという気持ちが強くなっています。どこでやるとか、賞が獲りたい!とかじゃなく、桐麺を好きで桐麺に来てくれる目の前のお客さんに楽しんでもらいたい!喜んでもらいたい!そんな風に路線変更した結果が、桐ちゃん製麺です。お客さんに喜んでもらえることが僕の何よりの喜びです。」


- 京小麦のイベントに初めて参加されるんですね。

「はい。お話をいただいて参加させてもらうことになりました。京小麦も京小麦プレミアム、京小麦レギュラー、京小麦ロング、京小麦全粒粉の4種類あって、その中のどれかを使うイベントなんです。」

 

- 京小麦を初めて使ってみて、どうですか?

「ウチで普段作っている麺は男の麺ってイメージなんですが、京小麦で麺を作ると女になるんです。しなやかで透明感があってなめらか。全然違う麺ができました。ウチは京小麦プレミアムだけで麺を作り、提供は3月1日から7日だけですので宜しくお願いします。その期間だけウチのつけ麺の全種類を京小麦の麺で提供します。」



- 桐谷店主が大事にしていることは?

「いつも言っているんですけど、自分で作って自分で食べて美味しすぎて気絶するラーメン!が僕のラーメン屋としての最大の目標にしています。今はその過程で、お客さんが僕が作ったのを食べて喜んでくれるのが一番の喜びです。なので、大事にしていることは、他人を喜ばす力!『他喜力』(たきりょくと読んでいます)の向上に全集中でラーメン道を邁進しています!」


◆店舗情報

桐ちゃん製麺

大阪府大阪市淀川区三津屋北3-1-17

TEL:06-6195-5335

twitter:https://twitter.com/kirimen1

オープン日:2020年12月

 (取材・文・写真 KRK 令和3年1月25日)