Vol.239:麺処 おぐら


 岡山県には何度も来ているが総社市に来たのは初めてだ。今回取材するのは2021年3月に総社市でオープンした麺処おぐら。話題の新店として瞬く間に人気店の仲間入りを果たしたお店だ。イベントを通して店主と知り合ったので取材する時間も作っていただいた。「麺処おぐら」小倉店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「岡山県総社市です。」

 

- ラーメンは昔から好きだったんですか?

「親が共働きだったので、土曜のお昼とか学校から帰ったら"好きやねん"とかインスタントラーメンを自分で作っていたんですけど、それをいかに美味しく作れるかと考えていました。硬麺に茹でたり、卵をこのタイミングで入れるとか(笑)。それから高校時代、岡山市の高校に通っていたのでラーメン食べ歩きをしていました。」

 

- ラーメン屋をしたいと思ったきっかけは?

「神戸での大学時代から音楽を始めて、卒業後に新卒でサラリーマンになってからも音楽活動に没頭していました。でも20代半ばくらいに仕事に集中できなくて『このままじゃ人生やばいな』と思いました。」

 

- 人生やばいとは?

「サラリーマンをしていたんですけど、どこかのタイミングで好きなことを仕事にしないといけないなと考え始めました。料理はずっと好きでcookpadに自分で投稿するくらい料理にハマった時期があって、僕のcookpadの投稿に他の方から感想を送ってくるシステムがあってそれがとても嬉しかったんです。そういうので料理の道にいけるかもと思い始めて、好きなラーメンを仕事にしたいと思いました。」


- ラーメンをすると決めて?

「当時、尼崎に住んでいたんですが、好きで通っていた尼崎の塩元帥で社員募集をしていたのでココで働こうと決心しました。」

 

- 当時から独立志望はあったんですか?

「当時は全く考えていなくて、塩元帥の中でサラリーマン的な感じで働きたいという感じでしたね。塩元帥には独立制度があるので、あわよくば独立して自分がオーナーになれたらとは考えていました。でもある事がきっかけで岡山県に戻らないといけないことになって、3年ほどお世話になった塩元帥から離れることになりました。それからしばらくラーメンから離れることにしました。」

 

- ラーメンから離れてからは?

「12年ぶりくらいに岡山に戻ってきて別の飲食のお店で働いていましたが、1年ほど経った頃に当時住んでいた倉敷の某店でラーメンを食べた時に感動したんです。その時に再び火がついて『もう一回ラーメンがしたい!』と思いました。それでそのお店で働かせてもらうことになりました。」

 

- 独立への流れは?

「倉敷の某店でお世話になっている間に方向性の違いで独立を考え始め、3年ほど経ってから独立を決心しました。」


◆2021年3月25日オープン


- この場所に決めたのは?

「独立を考え始めた頃に地元ですると決めていました。この物件とは知り合いの紹介で出会いました。」

 

- 屋号「麺処」の由来は?

「二つ候補がある中から"おぐら"に絞って、絶対に自家製麺ですると決めていたので"麺処おぐら"に決めました。」


- 自店の商品完成への流れは?

「関西にずっといたので大阪や京都で食べ歩いた中で『こういうスープ、こういう麺でこういうのを作りたい!』とか考えていて、自分の商品作りの参考にさせてもらいました。試作時代、一番最初に作ったのは貝出汁のラーメンでしたが、それから色々作っていく中でオペレーションのことも考えて、最終的に決まったのが中華そばと塩そば。この2本でオープンしました。」

 

- 清湯の2本のみですることへの不安は?

「総社市にはお年寄りから小さいお子さん、3世代の幅広い年代がいるので、自分がこういうのを作りたいという拘りも持ちつつ、地元の客層にも合わせた商品作りをしていました。調和というのを意識して作りました。」

 

- 自家製麺については?

「製麺が凄く好きで、塩元帥時代もやりたいと言って積極的に製麺をさせてもらっていました。自分の店でも自家製麺で絶対したいと考えていました。」

 

- 商品の紹介をお願いします。

「中華そばと塩そばは鶏スープと和風出汁のダブルスープで、麺もそれぞれに合わせて別の麺を打っています。つけ麺もまぜそばもそれぞれに対して違う麺を打っていて、今はレギュラーで6種類の麺を打っています。」

 

- レギュラーで6種類の麺ですか!(驚)

「最初は2種類だったんですがやっていく内に違和感を感じてきて、違和感イコール正解でないので突き詰めていくと、それぞれのスープに対してそれぞれに合う麺という風になっていきました。」



- 今後の展開は?

「総社市の他のジャンルのお店との繋がりもできてきたので、今後は異業種コラボや地域活性化に繋がる何かをやっていきたいと思っています。」

 

- 小倉店主が大事にしていることは?

「全部自家製で無化調、無添加。作り手の愛情だったり情熱が凄く反映されるものが料理と思っています。僕が小さい頃にラーメンを食べて感動や幸福感をもらっていたように、僕が作ったラーメンで皆様にも感動や幸福感を感じてもらいたいし、それが僕の幸せに繋がっていくと思っています。そういう想いでラーメンを毎日作っています。」


◆店舗情報

麺処 おぐら

岡山県総社市中央5-10-107

twitter:https://twitter.com/mendokoro_ogura/

instagram:https://www.instagram.com/mendokoro_ogura/

オープン日:2021年3月25日

 (取材・文・写真 KRK 令和3年12月10日)