今回取材するのは激戦区「尼崎」で2022年1月にオープンした人気店「ayairo」。オープンしてすぐに訪れたが、その商品のレベルの高さだけでなく、ayairoのラーメンのハッとするヴィジュアルにとても惹かれたものだ。あれから1年が経ち、店主にいろいろ聞きたくなって取材をお願いした。「ayairo」岡 店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「福岡県の飯塚市って所です。」
- ラーメンは昔から好きでしたか?
「ラーメンというか、豚骨ラーメンはよく食べに行っていましたね。」
- ラーメンを作る側になるきっかけは?
「大学卒業して新卒で一風堂の会社に入社したんです。」
- 一風堂に入社するまでの経緯は?
「元々、僕は海外へ行くことに興味があって、将来的に海外へ行ける仕事を探していました。多くの会社が集まっている就職説明会で商社、アパレルなど色々見ていて、その中で一風堂の会社(力の源ホールディングス)のブースがあったんです。時々食べに行っていたお店だったので、話だけでも聞いてみようと思って一風堂のブースに行ったんです。」
- 一風堂のブースで話を聞いて?
「2010年だったんですが、一風堂がちょうど海外へ出店していたタイミングだったんです。僕の中では職種とか業種とかよりも、一番海外に行きやすい会社はどこかなと探していたので、それで一風堂に就職することに決めました。」
- それまで飲食の経験は?
「学生時代に居酒屋でアルバイトをしていたくらいですね。」
- 一風堂に就職してからは?
「一風堂には約11年間いまして、その間に福岡の店でも働いていたし、岡山、湘南、神戸で店長をしていました。」
- 念願の海外も?
「はい。2014年に海外赴任となり、シンガポール、シドニー、マレーシア、そしてまたシンガポールと合計5年ほど海外で働いていました。元々、僕はサッカーをしていたのでヨーロッパへ行きたかったんですけど、僕の見た目とキャラ、雰囲気でアジアが合っていたみたいですね(笑)。」
- 海外での仕事はどうでしたか?
「ビジネスする相手も現地の従業員も全員外国人なので価値観の違いとかで大変な面もありましたが、本当に良い経験をさせてもらいました。楽しかったですね。」
- 独立志望はあったんですか?
「海外にいた時、店舗統括として現場には入れず、経営をずっとしていたんです。その中でラーメンを作りたい、直でお客様とやり取りして仕事をしたいという気持ちが強くなってきました。それで自分のお店をいつかは持ちたいなと思い始めました。」
- 独立のきっかけは?
「海外に5年間赴任して、2019年に日本へ戻ってきたんです。そのタイミングで退職して独立しようと思っていたんですがコロナが始まったんです。コロナ禍で会社も大変になり、今は自分のことをしている場合じゃないなと思って更に2年ほど働いていました。そしてコロナが落ち着いてきたタイミングで独立しました。」
- 大きな会社から離れることへの不安は?
「もちろんありましたが、今はやり甲斐しかないですね。楽しいです。」
2022年1月14日オープン
- 自店の場所に尼崎市を選んだ理由は?
「妻が兵庫の加古川辺りの出身なんですけど、『西北(西宮北)に住むのが夢』と言っていたんです。僕は関西のことは分からないんですけど、海外から帰ってきた時に妻の望む地域、西宮に住むことに決めました。それで独立する時に西宮界隈で物件を探していたんですがなかなが見つからず、少し範囲を広げたらこの物件と出会いました。」
- 屋号「ayairo」の由来は?
「妻の名前がアヤカ。それでアヤカのカラーということでアヤイロにしました。妻が影のオーナーみたいなものですからね(笑)。そして4ヶ月前に娘が生まれたので、名前をイロハにしました。後付けになるんですけど、妻と娘の名前が入っている屋号になっています。」
- アルファベットにしたのは?
「カタカナとか漢字とか色々考えたんですけど、小文字のアルファベットが一番しっくりきたんです。外国人の方でも分かるようにしたかったし、女性が1人でも入れるお店にしたかったので、カフェのような雰囲気で屋号もアルファベットの方がいいと思いました。」
- 鶏清湯を選んだのは?
「福岡出身なのでラーメンと言えば豚骨だったんですが、海外にいる時、一風堂でも豚骨だけじゃなくて、醤油、塩、味噌、担々麺とか作っていたんです。その中で醤油が美味しいな〜と思っていました。それで日本に戻ってから関西の美味しいと言われている醤油ラーメンを食べ歩いてから決めました。鶏清湯にしたのは毎日でも食べられるラーメンというのが大きな理由ですね。」
- 商品の紹介をお願いします。
「スープは近江黒鶏と水だけで取っています。麺は麺屋棣鄂様のを使用しています。醤油は小豆島や九州の醤油など3種類合わせて使っています。塩は沖縄の塩、ベトナムのカンホアの塩など3種類の塩をミックスして魚貝系の旨みも加えています。醤油はすぐに決まったんですけど、塩はオープン直前まで悩みましたねー。今でもブラッシュアップを日々続けています。」
- 岡店主が一番大事にしていることは?
「一風堂で教わったことなんですが、一杯のラーメンと1人のお客様。毎日ラーメンを作っていて昼夜で100杯としたら1人のお客様が100分の1になりますが、お客様からしたら1分の1。お客様はそのラーメンを食べに来ています。店側からだと100回作る中の1杯ですが、そこで手を抜いたりとか、これでいいかなという思いにならないように、常に『一杯のラーメン、1人のお客様』と考えながら仕事をしています。忙しくても雑にならず、お客様の顔を必ず見て、この人にこのラーメンを作るんだと思いながら作るようにしています。」
◆店舗情報
ayairo
兵庫県尼崎市名神町1-10-3 フォーラムアート五合橋101
twitter:https://twitter.com/ayairo_ramen
instagram:https://www.instagram.com/ayairo.ramen/
オープン日:2022年1月14日
(取材・文・写真 KRK 令和5年1月27日)