今回取材をするのは岡崎市の「麺屋あきのそら」。多くの実力派ラーメン店が集まっている三河エリアでラーメンファンから熱烈に支持されている人気店だ。滅多に来るエリアじゃないが、初めて食べに来た2020年1月以来、常に気になっていたお店だ。今回、三河地方へ来る機会があったので取材をお願いした。「麺屋あきのそら」林田店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「生まれは愛媛県の松山市です。愛知県に来てから25年くらいになります。」
- ラーメンは昔から好きだったんですか?
「子供の頃からあっちこっち連れて行ってもらって好きでした。豚骨の分校ラーメン(久留米とんこつラーメン 松山分校)がウチから近かったです。」
- 本格的にラーメンが好きになったのは?
「愛知に来てからです。ラーメンを食べ歩いていると他の店で見た方とまた別のお店で会うとかがあって、自己紹介をするとその方がブログをしていると聞き、自分もしてみようかなと思ってラーメン食べ歩きのブログを始めました。」
- 食べ歩いていた範囲は?
「ブログに載せている期間はあんまり他県を廻れていないんですけど、食べ歩きでは東北とか行ってみたり、沖縄のソーキそばとかも食べに行ったりしていました。」
- どんなラーメンが好きだったんですか?
「自分で作るようになる前は何でも食べていました。若い頃はコッテリしたのが好きだったんですけど、20代後半くらいから鶏ガラの昔ながらのが好きになってきましたね。」
- ラーメンをご自身で作るようになったきっかけは?
「お店をしようと思っていたわけでなく、自分でラーメンを作ってみたいなというのがあって自作を始めました。いろんなお店の方に例えば『豚骨って家で上手くできなかったんですけど?』と聞くと、火力が足りないからこうした方がいいよとか教えてもらって、試行錯誤して自作を楽しんでいました。」
- 自分でお店をするまでの経緯は?
「スープを作っていると次は麺を作ってみようとなり、小野式のクルクル回すので製麺をしていました。麺にハマっていく内に『色んな麺を作れるようになりたい』となってきて、製麺機を買うんであればお店をやってみようかなと思い始めました。製麺機だと3キロくらいが最小ロットなので、家族では残ってしまいますからね(笑)。」
- 全て自己流で開業したんですか?
「チェーン店でアルバイトをしてオペレーションを勉強させてもらったり、大和製作所のドリームスタジオという製麺機の使い方を教えてくれる講座で学ばせてもらったりしました。レシピは全部自己流です。」
2019年10月13日オープン
- この場所を選んだのは?
「住んでいる知立市は駐車場がある物件が見つからなくて、ここは駐車場で決めたって感じですね。駐車場が一番大事だと思っていましたので。」
- 屋号「麺屋あきのそら」の由来は?
「私の名前が"あきこ"なので、主人が"あきのそら"と名付けてくれました。私はあきさんってよく呼ばれているので、"麺屋あきのそら"で分かりやすいのかなと思いました。」
- メインの商品紹介をお願いします。
「塩のスープは野菜の出汁と、極限まで濃厚にした貝の出汁、節と昆布と煮干しの出汁、その3つを合わせたトリプルスープです。動物系が入っていないのであっさりはしているんですけど、出汁の旨味とか野菜の味とかを味わって楽しんで頂きたいです。
自分が作りたいラーメンは、基本的には無化調とか国産、色んなことに拘っている体に優しいラーメン。背脂をがっつり入れても、スープのベースに野菜の成分とか入れて、スープを飲み干してもそんなに体に大きな負担にならないラーメンを目指して作っています。」
- オープン前は、こってり好きの方が多いことへの不安もありましたか?
「当初はウチの商品ではあっさりし過ぎとかあるのかなと不安もありましたが、ウチは年配のお客様も半分くらいいらっしゃるので、ウチのラーメンがよく合っているかと思っています。濃い味が好きなお客様にはこってりした背脂煮干や鶏白湯もありますし、月末には二郎系の限定を出したりもしています。」
- もっと色んな麺を作ってみたいという気持ちからラーメン屋開業へと繋がったわけですが、現時点で林田店主の追い求めている麺とは?
「しなやかな感じで時間が経ってもダレない麺。ある店で食べた細麺が割と軟かめの麺だったんですけど、食べ終わるまでその硬さが保たれていたんです。『この麺ってどうやっているのかな?』と思って、普通の小麦粉だけじゃなくて、自分で粉を焙煎して混ぜてみたりと試行錯誤しています。今は3種類の麺を打っていて、他に限定でも違う麺を打ったりしています。」
- 地産地消にも取り組んでいるんですね。
「全部ってのは無理なんですけど、使っている野菜とかチャーシューとかは地産地消でしています。野菜は岡崎市の野菜を極力使うようにしていて、チャーシューには"みかわもち豚"(岡崎市の会社の商品)や"岡崎おうはん"(岡崎牧場で開発された、日本でも数少ない純国産鶏)を使っています。」
- ブログなどでお店を評価する側から、評価される側へなることへのプレッシャーは?
「もちろんありました。オープン時は慣れるまでオペレーションが混乱してしまうと思っていたので、1ヶ月間くらいは告知せずにひっそりとプレ営業していました。でもSNSで広がりますのですぐにバレましたね(笑)。心無い評価もあって傷つくこともあったんですけど、お陰様で常連の方、応援してくださる方も増えてきています。悩んでも仕方ないと思えるようになりました。」
- 林田店主が大事にしていることは?
「私って人見知りで口下手なんです。お客様に愛想いいわけではないんですけれども、お客様の体のためを思っている商品を提供することで『お客様のためになれたらいいな』と毎日ラーメンを作っています。」
◆店舗情報
麺屋 あきのそら
愛知県岡崎市大門3-20-15
X:https://x.com/menya_akinosora
instagram:https://www.instagram.com/menya_akinosora/
オープン日:2019年10月13日
(取材・文・写真 KRK 令和5年11月24日)