Vol.313:らぁめん 涼虎


 今回取材するのは「らぁめん 涼虎」。大阪市旭区で2024年2月4日にオープンした話題の新店だ。店主は関東の超人気店で修行をされてきた方だからラーメンファンからの期待値もかなり高い。昼営業が終わってから取材する時間を作って頂いた。「らぁめん 涼虎」西村店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「生まれも育ちも埼玉県の羽生市です。」

 

- 元々、ラーメンは好きだったんですか?

「当時はあまりラーメンに興味は無くて、ケーキ屋に興味があってパティシエの勉強をしていました。東京のお店でしばらく修行していたんですが、仕事に対して色々考えることがあって悩んでいました。そんな時にたまたま入ったラーメン屋が凄く元気いっぱいに対応してくれて、その時に『ラーメン屋、かっこいいな!』と思いました。」

 

- ラーメン屋に興味を持って?

「それからケーキ屋を辞めて、地元・埼玉の小さいラーメン屋でアルバイトを始めました。しかし、その時はまだケーキ屋に未練があったりしてラーメンに本気になれなくて、一度ラーメンから離れることになりました。」

 

- ラーメンに戻ってきた理由は?

「他の仕事をしている内に、ラーメン屋で働いていた時の充実感とかが忘れられなくて、もう一度、ラーメンに賭けてみようと思いました。」

 

- 当時から独立志望はあったんですか?

「独立欲が凄く強かったです。何者かになりたいなと思っていました。」


- 再びどこかで修行を?

「最前線の場所で学びたいと思ったので東京へ行こうと決めました。東京のラーメン屋さんを食べ歩いている中で、修行先となる某有名店と出会いました。」

 

- 修行先としてそのお店を選んだ理由は?

「味も美味しかったんですけど、とにかくかっこよかったんです。前にラーメン屋を辞めたのは、時代もあったのか乱暴な方が多かったので幻滅してしまったのが大きな理由の一つだったんです。しかしこちらのお店は丁寧に優しい接客でしていて、ここで働きたいと強く思いました。今でも憧れているお店です。それで5年ほど学ばせて頂きました。」

 

- 日本を代表するお店で働いてどうでしたか?

「同僚とかもみんなラーメンのことしか考えていない職場で、そんな中でお互い切磋琢磨していました。ラーメン屋の世界ってこんなに楽しいんだと思いました。僕の中では修行先での経験が全てですね。ラーメン屋の全てを教えて頂きました。」

 

- 独立のタイミングは?

「修行店からはみんな自分のタイミングで抜けていっていたので、だからみんな出身店とかは公には名乗っていないんです。僕自身も修行先を公表するつもりはありません。」


- 私が一番聞きたいことなんですけど、大阪へ来た経緯は?

「当初は関東でするつもりだったんですけど、僕は天邪鬼なんです。みんなが東京でしているのがあったので、僕は関西でしようと思いました。捻くれているというか、みんなと同じ方向へ行くのが苦手なんです。それで師匠に関西でお店をすると言って修行店から抜けさせてもらいました。」

 

- 最初から大阪でと考えていたんですか?

「大阪か京都で考えていました。関西でラーメン食べ歩きをしたことなかったんですが、唯一食べたことがあったのが第一旭でした。かっこいいお店だなと思っていて、第一旭での思い出も関西に来たいと思ったきっかけの一つです。」

 

- すぐに開業しなかった理由は?

「当初はすぐに開業しようと思ったんですが、関西のラーメン事情を何も知らなかったし、土地勘も全く無かったので関西のお店でもしばらく学ばせて頂きました。」

 

- この場所を選んだのは?

「京都、神戸、大阪で自分がしっくりくる物件を探していました。物件を探すためにデリバリーのバイトもしていて、その時にここの前を通ったんです。気になったので内見すると、自分の頭で思い描いていた通りの物件だったんです。そしてここは大宮という場所なんですけど、修行先も埼玉県の大宮だったのでその繋がりもここに決めた理由の一つです。」


2024年2月4日オープン


- 屋号「らぁめん 涼虎」の由来は?

「僕の妻と母親の名前が涼子なんです。大切な存在の2人なので、それくらい僕の人生にとって大切なお店ということでリョウコ。虎は僕の尊敬するおじいちゃんが寅年。それとバイト先に海外の人がいて、家の近くに虎が出るという話を聞いて面白かったので"涼虎"でいいかなと思いました。中華そばとか麺処も考えたんですけど、ラーメン屋ぽくいきたいので"らぁめん"にしました。書いててしっくり来たのも"らぁめん"でした。」

 

- 自店の商品の紹介をお願いします。

「僕はラーメンはラーメンでしかないと思っています。先人の方達が作ってきたラーメンをリスペクトしているので、"昔ながら"を保ちつつ、折角お金をいただくのならお腹いっぱいになってもらいたいので量も多くしていますし、お肉も厚めにしています。ラーメンって本来そういう食べ物だと思っています。色んな世代の人に『懐かしいな~。ラーメンってやっぱりこれだよね!』と思っていただけるようなラーメンを意識して作っています。高級食材を一切使わずに、普通の食材を手間をかけて美味しくしてお客様に満足して頂きたいと作っています。」

 

- 麺は心の味食品の麺を使っているんですね。

「はい。中華蕎麦とみ田さんから卸して頂いている麺です。修行先のお店が使っていたので、その時から自店でも使いたいと思っていました。それでとみ田さんに相談して、修行先の師匠からも許可を頂いたので、ウチにも卸してもらえるようになりました。関西では今使っているのはウチだけとなります。」

 

- 現在は醤油だけですが、他の商品を加える予定は?

「オペレーションが落ち着いてきたら塩も加える予定です。つけ麺も夏頃から始めたいと思っています。僕の12年間の全てを涼虎の商品に賭けていきます。」

 

- 西村店主が一番大事にしていることは?

「お客様を大事にするために、ラーメンと自分を一番大事にしています。つまり自分の仕事を大事にして、自分のラーメンをきっちり作ることによって、お客様に喜んでいただくこと。自分がいい仕事をすることによって、お客様を大事にできると思っています。」



◆店舗情報

らぁめん 涼虎

大阪府大阪市旭区大宮1-17-13

X: https://x.com/ramen24ryoko24

instagram

https://www.instagram.com/ramen24ryoko/

オープン日:2024年2月4日

 (取材・文・写真 KRK 令和6年2月12日)