今回取材するのは鳥取県米子市の人気店「がんこラーメン 華漸」。店主はあの「元祖一条流がんこラーメン」八代目の継承者だ。がんこ系の店主への取材は初めてなので色々聞いてみたいことが沢山ある。「がんこラーメン 華漸」吉田店主にKRK直撃インタビュー
- ご出身は？
「埼玉です。」
- ラーメンは昔から好きだったんですか？
「幼少期からラーメンを食べるのが好きでした。学生時代に自分の叔父が『8代目がんこ』（東京）を開業しまして私も手伝ったりしていました。その時に8代目がんこのラーメンを食べて単純に感動しまして、自分も将来的に何か飲食をしたいなと思いました。」
- ラーメンをする前は何をされていたんですか？
「海外に留学したりしていたので英語関係の仕事とかをしていて、前職は航空自衛官でした。」
- 埼玉から米子へ来たのは？
「航空自衛官として美保基地に配属されて米子へ来ることになりました。米子に来た時にご当地の牛骨ラーメンの存在を知って、食べてみたら叔父が作っていた牛骨とはまた違う味だったので新鮮でした。」
- ラーメン屋をするまでの経緯は？
「美保基地で10年ほど働いている内に米子での生活がとても気に入っていました。それで埼玉の入間基地へ転勤になった時に、米子でラーメン屋をやろうかという気持ちになりました。師匠（叔父）に話して8代目がんこで修行をさせてもらうことになり、大和製作所で製麺の勉強もしました。」
2016年4月23日オープン
- 屋号「華漸（かぜん）」の由来は？
「自分で造った造語なんです。華は中華の華、華やかになりたいという意味。漸は『順を追って進む』の漸進から取りました。華やかに進んでいけたらと思い付きました。8代目何とかにする考えもあったんですけど、数字だと憶えにくいのかなと思いました。」
- 自店の商品は悩みましたか？
「がんこって時代によってスープとか材料が全然違って、叔父は8代目でがんこ系の中でも早い世代だったので清湯がメインの頃だったんです。そして一条さん（一条流がんこラーメン創業者）が引退する頃にはがんこは白湯が主流になっていたんです。ウチの師匠はその時代のその味、清湯しかやってなかったんですが、自分は色々してみたいと思ったので白湯も作り始めました。」
- 米子で2016年4月にオープンして、お客さんの反応はどうでしたか？
「師匠から継承してきた味への反応は『しょっぱい、味が濃い』でした。2〜3年は本当に苦労しました。地域性に合わせて塩分を落としたりして調整し、少しずつお客さんが増えてきました。」
- 朝5時から朝ラーメンをするきっかけは？
「元々の単純な理由は、私が自衛官時代の夜勤明けに食べるラーメン屋さんが無かったんですよ。ラーメンとか食べたいのにと思っていたので、ウチですることにしました。静岡とか福島とかの朝ラーしている地域は環境が似ているんです。」
- 営業中の印として牛の骨を吊ったりとかは継承していくものなんですね。
「がんこのイメージといえば黒塗りや牛の骨。牛の骨も自分で骨から髄液を出して用意したものです。只、ウチのように暖簾を付けているがんこ系は無いんです。この物件が暖簾スタイルの窓だったので暖簾を付けないとカッコ悪いなと思ったので、ウチは暖簾を付けました。がんこの中でも暖簾はレアですよ。」
- 華漸の商品の紹介をお願いします。
「メインスープは8代目から継承した清湯スープなんですけど 牛骨、鶏モミジ、豚骨、野菜、煮干しが入っています。米子は非常に食材に恵まれていて、動物系の骨とかでも大山地鶏や鳥取和牛の骨とかブランド物を安く使えるんです。ウチの経営方針の3本の柱は、自家製麺の多加水麺 極細熟成麺、朝5時からの早朝営業、200種類の限定商品です。」
- 限定で一番人気は？
「基本的にどれも作り込んで出していますので、どれがオススメとかはお客さんの好み次第になります。ウチの周年の時だけ販売している豪貝塩ラーメンは、帆立と牡蠣と蛤、3種の貝出汁を牛骨清湯に重ねる感じの一杯でとても人気があります。」
- 麺がとても特徴的ですね。
「小麦粉から色々選ばせてもらって、多加水でモチモチした細麺を造っています。昔って多加水麺が多かったと思うんですけど、多様化してきて今は低加水で伸びない麺が多くなりました。デメリットもあると思いますが、多加水の細麺を熟成させて10分以内に食べてもらえたらとても美味しいと思っています。」
- 吉田店主の一番大事にしていることは？
「最高の状態で出すということを毎回気をつけています。ラーメンは生き物。最良の状態で出さないと美味しく食べて頂けない。特にウチなんて極細麺ですからね。お客様にも協力してもらうためにお手洗いとかにも行かないようにお願いしています。最高の状態でお出しして、美味しく満足して帰って頂くことを大事にしています。」
◆店舗情報
がんこラーメン 華漸
鳥取県米子市旗ヶ崎2-13-29
instagram：https://www.instagram.com/gankokazen/
facebook：https://www.facebook.com/GANKOKAZEN/
オープン日：2016年4月23日
（取材・文・写真 KRK 令和6年5月19日）
