今回取材するのは尼崎市の名店「ラーメン虎一番」。コアなラーメンファンだけでなく、多くの同業者からもリスペクトされているレジェンド店だ。取材を受けている印象が全く無かったお店なので、取材が決まったことに私自身も驚いている。聞きたいことは山ほどあるが、どこまで話してもらえるんだろうか。「ラーメン虎一番」西山店主にKRK直撃インタビュー!
- ご出身は?
「熊本です。だからメニューにも熊本ラーメンがあるんですよ。18歳の時に神戸へ出てきて6年ほどサラリーマンをしていました。」
- 飲食に入った理由は?
「料理が元々好きだったので、辻調(辻調理師専門学校)に入って勉強しました。辻調を卒業してからは中華料理の店を5〜6年ほど転々としていました。そして30歳の頃に神戸ラーメン第一旭(フランチャイズ店)で独立しました。」
- 中華でなくラーメンで独立した理由は?
「そのラーメン屋をしていた友達が辞めることになったので僕に声をかけてきたんです。それでその店を引き継いですることを決めました。」
- いつか自分の店をしたいと思っていたんですか?
「全然思っていなかったです。友達からの突然の話でしたから。でも有名なお店なのでお客さんも来ると思うし心配はなかったですね。その店の場所が虎一番の前の場所。当時はまだラーメンに興味はそんなに無かったですね。その店を6年ほどしてから、虎一番として2000年6月に独立しました。」
- 第一旭から独立した経緯は?
「第一旭を続けることを家族が『違うラーメンが食べたい』と反対したんですよ(笑)。それで自分の店をしようと思い、屋号を変更して虎一番を始めました。」
- 屋号「虎一番」の由来は?
「知り合いが阪神タイガースのファンだったし、僕は寅年。ラーメンで一番になろうという気持ちも込めて虎一番にしました。」
- オープン時のメニューは?
「最初は神戸ラーメン第一旭の流れを少し残しつつライト豚骨でしていたんですけど、名前も味も変わったからそれまでのお客さんは離れていきましたね。その時にたまたま東京出身の人がアルバイトに来てくれたんですが、僕の豚骨を食べて『これだと駄目でしょう?』と言われました(笑)。このままでは駄目だと思い、東京へラーメンを食べにいきました。東京で当時流行っていた麺屋武蔵とか食べたりして魚介をしたくなって、それで虎一番で魚介のラーメンを始めたんです。」
- メニューをリニューアルしたんですね。
「清湯の魚介を始めました。関西に無かった系統なので全て独学でしたね。今とは全然違っていてどちらかと言えばうどんに近かったと思います。最初は違う麺で試していたんですが全然駄目で、武蔵が最初に使っていた大栄食品に電話して麺を卸してもらうことになりました。」
- 虎一番には色んな名作がありますが、西山さんの思う代表作は?
「極大河です。それがずっとウチのメインになっています。」
- 極大河の誕生のきっかけは?
「昔、何店舗かでラーメン対決をしたんですよ。その時に作ったのが極大河。その対決で優勝しました。それからスープなどをアレンジしていってメニューが増えていったんです。その頃にはお店も軌道に乗ってきましたね。」
- 虎一番には魅力的なサイドメニューも沢山揃っていますよね。
「中華の流れのが多いですね。例えば人気の焼き餃子は、僕が餡を包むのが下手なので棒餃子にしているんです。餃子は水分が多いので、なるべくパリッとできるようにするには巻きたての方がいいので注文ごとに巻くところから始めています。」
- 2023年12月に現在の場所へ移転した理由は?
「子供が『この店で続けていくのは嫌!』と言ったんです(笑)。家族が大事ですからね。移転先は尼崎に拘ったわけでなくどこでもよかったんですが、たまたまこの居抜き物件が見つかったんです。前は鉄板焼き屋だったので、鉄板を全部切ってもらって平にしてコンロを置きました。移転に半年ほどかかったので、その間は大阪麺哲さんで働かせてもらっていました。」
- 「麺哲」庄司店主とはいつ知り合ったんですか?
「最初は庄司さんが虎一番にお客さんとして食べに来てくれたんですよ。当時、庄司さんをテレビや雑誌でよく見ていたのですぐに気づいて声をかけたんです。それからお互いに食べに行ったり来たりの関係が続いていました。」
- 西山さんは弟子を取らないんですか?
「取らないわけではないんですが誰も来ないんです(笑)。来ないだけです。大変ですからね。今はまだ1人でなんとか大丈夫ですが、体力が衰えてきたらメニューを減らしていくとは思います。」
- 西山さんがしていることを、他の人ができると思いますか?
「ラーメンはそんなに難しくないですよ。基本があれば大丈夫です。」
- 今まで誰かに教えたことは?
「一徳(奈良県天理市)に少しだけですが教えたことはあります。彼がまりお流を辞めてから急に来て『ラーメンを教えて欲しい』と言ってきたんです。以前にまりお流で福永さん(まりお流店主)と話していた時に、一徳も従業員として隣にいたんです。今のところ、僕が教えたのは一徳だけですね。」
- 第一旭を始めた頃はラーメンにそんなに興味は無かったとおっしゃっていましたが、ラーメンへの興味を強く持ち始めたのはどの時期なんですか?
「好きでやっているだけでそんなことを考えたことが無いんです。変態なんですよね(笑)。好きでやっているだけでもう34年しています。」
- 最後に西山さんが一番大事にしていることを教えてください。
「ラーメンを作ることが一番好きなんです。ラーメンが好き過ぎてどうしようもないんですよね。もうちょっと勉強が足りないのでもっと頑張ります。」
◆店舗情報
ラーメン虎一番
兵庫県尼崎市神田北通6-174
https://www.instagram.com/toraichiban_ramen
移転オープン日:2023年12月19日
オープン日:2000年6月
(取材・文・写真 KRK 令和8年1月31日)









