Vol.367:UNITED NOODLE アメノオト


 今回取材したのは栃木県佐野市の名店「UNITED NOODLE アメノオト」。佐野市といえばご当地の「佐野ラーメン」が有名ですが、このお店はそれとは一線を画す、洗練されたモダンなラーメンで勝負する人気店。その名は遠く関西にまで届いており、「いつか行きたい」とずっと願っていたお店に今回ついに足を運ぶことができました。共通の知人を介した縁もあり、お忙しい中での取材が実現。「UNITED NOODLE アメノオト」和田店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「栃木県の佐野市です。ラーメン王国佐野市になります。」

 

- ラーメンは昔から好きだったんですか?

「佐野ラーメン(あっさりとした透明感のある醤油スープに、青竹手打ちによる麺が特徴のご当地ラーメン)というのが佐野市は有名なので、子供の時から休みになれば親と一緒にラーメンを食べに行っていました。」

 

- 佐野市ではラーメンを食べるのが日常?

「そうですね。ラーメン文化が根付いている地域なので、佐野市だけでも250店舗のラーメン屋さんがあります。」

 

- 佐野市ではラーメンと佐野ラーメンは別ジャンル的な棲み分け??

「ご当地の佐野ラーメンを食べに来る皆さんは佐野ラーメンという文化を食べに来ているという感じだと思います。アメノオトのラーメンは『佐野のラーメン屋さん』という位置付けでジャンルが違う感じになっているように思います。」

 

- 子供の頃からラーメンを日常的に食べていて、将来はラーメン屋をしたいという気持ち?

「ラーメン屋をやりたくないと思っていました(笑)。子供の時はラーメン屋さんの昔ながらの無骨で店主さんの怖いスタイルが苦手だなと思っていたんです。今は意味がわかりますけどね(笑)。」

 

- ラーメン屋をしたくなったきっかけは?

「学生時代、都内とかでラーメンを食べに行くとお洒落な店や親切なスタッフさんが沢山いて驚きました。その時にこういうスタイルのラーメン屋ならやってみたいなと思いました。だからラーメン屋をやってみたいなという気持ちが芽生えたのは大人になってからでしたね。」

 

- 飲食の経験は?

「前職はアパレルをしていました。大学生の時アルバイトでは居酒屋で働いていたこともありますし、母親が栄養士だったので中高校生の時に一緒に料理したりお菓子作りとかもしていました。だから料理することに関しては抵抗はなかったですね。」


- ラーメン屋をしたいと思ってからは?

「佐野市はラーメン中心なのであまりない『つけ麺をやってみたいな』と思っていました。佐野ラーメンじゃないラーメンも食べたいというニーズもあるんじゃないかなと思っていました。」

 

- どこかで修行を?

「小山市にあった"中華蕎麦サンジ"(閉店)という濃厚系のつけ麺屋さんで働き始めました。いろいろ食べ歩いた中で一番美味しいと思ったお店だったので、ここで学びたいと思いました。」

 

- 初めてラーメン屋さんで働いてどうでしたか?

「めちゃめちゃ厳しかったんですけど、僕は中学から体育大学までずっと陸上競技をしていて常に厳しい環境下にいたので忍耐力は強かったと思います。とにかく必死に頑張りましたね。僕はセンスとかは無いのでコツコツと一生懸命頑張れるところが持ち味だと思っています。」


- 自分の店は佐野市ですると決めていた?

「そうですね。当時、結婚もしていて子供もいましたから佐野市ですると決めていました。」

 

- アメノオトのオープンまでの経緯は?

「サンジで修行している中で佐野市で違うジャンルの商品で勝負するのはめちゃめちゃ厳しいだろうなと不安に感じるようになりました。10年前は佐野市でこういうラーメンを提供している店はほぼ無かったですからね。」


2016年9月22日オープン


- 屋号「UNITED NOODLE アメノオト」の由来は?

「奥さんが雨の音が好きで『しっとりのんびり雨が降る感じで穏やかに過ごして欲しいな』という想いで付けさせてもらいました。」

 

- UNITED NOODLEは?

「これは当社のラーメン事業部の名前です。現在はアメノオトとYOKOKURA STOREHOUSEの2店舗のみです。」

 

- 屋号もお店の雰囲気も佐野市では珍しいですよね。

「こういう屋号や外観なので『ここ何屋さんなの?美容室?アパレル?全然分からない』とかお客様にオープン当初はよく言われていましたね(笑)。最初は全てがはまらなくてめちゃくちゃ苦労しました。」

 

- 実際にオープンして、ご当地ラーメン処での厳しさは実感しましたか?

「オープン当初は(サンジの)常連のお客様がご来店していましたが、しばらくすると落ち着きお客様が来なくなり、1日30〜50人の日が数年間続きましたね。本当に苦労しました。ただ、今もまだまだなので努力し続けています。」


- そこから上昇気流に乗ったきっかけは?

「何かきっかけがあったということもなかったですね。コツコツとどんなに暇でも営業をやり続けた結果だと思います。オープンから3〜4年ほど経ってお客様が増えてきて、イベントとかも出るようになって幅広く知られ始めたという感じでしたね。」


◆2026年5月30日現在のメニュー


- 濃厚つけ麺のお店で修行してから、清湯で勝負した理由は?

「サンジで修行中、二毛作でNOT FOUNDという清湯のお店を毎週火曜日にやっていて、そこで僕が尊敬しているお店の方々がしている鶏清湯を栃木で最初に取り入れたと思います。そのスタイルをアメノオトへ持って行き、オープン時は鶏清湯の醤油、塩、濃厚つけ麺やトマトまぜそばのメニューでスタートしました。」

 

- 店の顔的な存在になっている"昆布水つけめん"はいつから?

「オープン当初は仕込みができるのが僕しかいなかったので濃厚つけ麺で戦うのは厳しいと思い、新たに昆布水つけめんを取り入れようと思いました。サンジの二毛作時代(NOT FOUNDや404)に昆布水つけめんも提供していたんです。栃木では昆布水つけ麺をいち早く取り入れたのが良かったのか、お客様からの反応がすごく早かったですね。」

 

- 麺線を綺麗に整えるのもオープン当初から?

「サンジで豚骨魚介をしている時も麺上げしていたんですが、麺線をならす(麺の流れを綺麗に美しく整える作業のこと)というのはその頃からしていました。盛り付けも試行錯誤しながらいろいろと取り組んでいます。」

 

- 麺へのこだわりは?

「小山市のYOKOKURA STOREHOUSE店内に製麺所がありそちらで製麺をお願いしています。国産小麦を使用、しなやかで喉越しのいい麺。日々ブラッシュアップしながら麺も毎日少しずつ変えてもらっています。」


- 那須鶏など地元食材への想いも強い?

「はい。なるべく地産地消をしたいと思っています。しかし、全部は無理なので他の地域の厳選素材も取り入れて作っています。」

 

- 昆布水つけめんの圧倒的な人気に、逆に不安を感じたりはしますか?

「実は僕は醤油そば推しなんですけど、昆布水つけめんが圧倒的な人気になっています。メディアも昆布水つけめんでやらせてくださいって皆さん言いますね(笑)。今アメノオトは10年目なんですけど、ラーメンに対する取り組みや意識も自分の中で変わってきたので、ラーメンの構成を変えて試行錯誤しています。お客さんがどういう反応をしてくれるか楽しみです。昆布水つけめんが人気で先行していますが、ラーメンでもしっかり喜んでもらいたいと思っています。」



- ご当地と違うラーメンで10年してきて、今思うことは?

「最初は本当に苦労しました。今は逆に昆布水つけめんをやり始める店が佐野市でも増えてきているのに驚いています。佐野ラーメンの麺(青竹手打ち)で昆布水つけめんをやっている店も何店舗かあるので多少なりとも影響力があるのかと。。。嬉しいですね。」

 

- 今ではすっかり、佐野の地元の皆さんからも「佐野市のラーメン屋」として親しまれているようですね。

「僕のエゴじゃないですけど『佐野ラーメンじゃないラーメンをたまには食べたいな』という思いで始めたので、やっぱり地元や近隣の方に来てもらえたら嬉しいです。平日の昼は県外からのサラリーマン、カップルや夜は限定があるので地元の常連様、週末は県外の方が沢山ご来店してくださり嬉しいです。」

 

- グループとしてイベントも積極的に参加されているんですね。

「栃木のラーメン屋を発信したいというのもありますが、根本的には北関東を盛り上げたいという気持ちが強いです。『栃木、北関東だったらUNITED NOODLEだよね』と言われたいという思いが強いです。」

 

- 和田店主が一番大事にしていることは?

「栃木といえばアメノオトと言われたいし、北関東といえばアメノオトとも言われたい。美味しいには妥協したくないし、ご来店くださるお客様には気持ちよく帰って欲しいと思っています。お客様、スタッフ、家族、仲間ここまで支えてくれた皆さんに感謝しています。」


◆店舗情報

UNITED NOODLE アメノオト

栃木県佐野市堀米町455-1 シルフィード1F

https://x.com/amenooto_un

instagram

https://www.instagram.com/amenooto_un

オープン日:2016年9月22日

(取材・文・写真 KRK 令和8年5月30日)