Vol.81:らぁ麺 すぐる

オープン直前インタビュー


<店舗情報>

■らぁ麺 すぐる

住所:京都府京都市左京区瑞壱町田町8-6 京福修学院マンション1F

https://twitter.com/ramen_suguru

2018年4月24日オープン。


 4月に入ってすぐにBig Newsが入ってきた。京都を代表する行列店となった"らぁ麺 とうひち"が、2018年4月24日に2号店をオープンする。場所は修学院駅から徒歩2分。なんとあの関西最大のラーメン激戦区"一乗寺"から目と鼻の先だ!

 注目の2号店の屋号は"らぁ麺 すぐる"。コンセプトは"豚と小麦"。超人気店の新しい挑戦、そして駅近の激戦区への進出、どれだけの盛り上がりになるか恐くなるくらいだ。そんな注目店のオープン前日、袖岡店主と、この2号店を任される石浦店長に少し取材する時間を作っていただいた。袖岡店主自身へのインタビューは以前にしているので、今回は新店について詳しく聞いてみようと思う。"らぁ麺とうひち"袖岡店主&"らぁ麺すぐる"石浦店長にKRK直撃インタビュー!


- いよいよオープンですが、2号店はだいぶ前から考えていたんですか?

●袖岡店主(以下「袖岡」と略)

「そうですね。1年くらい前から出したいなってのは考えていました。清湯は絶対にやりたかったので2号店でも清湯ってのは決めていたんですけど、実際どういうテーマでするかがちょっとボヤけていた感じでなかなか決めれませんでしたね。」

 

- 2号店のコンセプトは?

●袖岡「今回のコンセプトは清湯がメインなんですけど、大きく言うと"豚と小麦"というのをクローズアップしてコンセプトにしました。まず豚は京都の丹波高原豚っていうブランド豚。その豚の骨と肉でお出汁をとって、乗せるチャーシューも全部、丹波高原豚です。

 小麦は自家製麺。北海道産小麦だけで打った麺。とうひちの麺とはガラっと変えています。」

 

- 2号店の方向性が決まったきっかけは?

●袖岡「最終的には"とうひち"で出した限定がきっかけというかヒントになりましたね。京都ラーメンの文化である第一旭さん、アキラ系(第一旭の味の系列のこと)ですね。その豚出汁をまたちょっと違ったアプローチ、例えば良い豚を使ってみるとか、カエシを変えてみる、麺を自家製麺でするとかで作ってみました。それをアキラ系の新しいジャンルと捉えて、"ネオ アキラ"って限定をとうひちの方で数回出していたんです。その限定ラーメンがお客様にとても評判もよかったので、『こういうラーメンで次の店をやってみようかな』って徐々に思い始めていました。」

- すんなりと決まったんですか?

●袖岡「そこで豚の出汁、アキラ系の新しいタイプのラーメンをやろうと決めて、いろいろアキラ(旭)系の店を食べ歩いたりしたんです。すると豚出汁をとる難しさというか、オペレーション的に難しい問題に直面しました。ああいう老舗でやってるお店ってのは完全な豚出汁を炊くシステムというか、パッケージが出来上がっているんです。『同じことをウチではできないな』ってのを試作段階で気づいてきたんです。それなら同じ豚出汁でもアキラ系とは違ったアプローチでいったらいいんじゃないかなって思い、試作やってる内に最終的にそういう形に着地したって感じでしたね。」

 

- 味噌は初挑戦ですか? 

●袖岡「今回、清湯で醤油と塩。本当は清湯だけでも良かったんですけど、せっかく豚を使うので白湯系のも何か出せたらなって思っていました。ちょうどその時、梶親方(京都千丸しゃかりき 店主)が京阪百貨店の方で"しゃかりき"の支店を出店したんですが、たまたまなんですがそのお店も豚出汁だったんです。豚出汁に魚を加えてってスープで、ちょうどメニュー構成も醤油と味噌をやっておられたんです。それで梶親方と話してる時に、ウチが次の店を豚出汁でするって言うと、梶親方が『お前も豚出汁をやるなら、味噌は絶対やった方がいい』ってアドバイスをいただきました。

 だから今回の味噌はしゃかりきの味噌がかなりヒントになっていて、作り方も味噌に海産物を練り込む手法とかそういうのを親方に教わりました。従来の味噌ラーメンとはちょっと違っていて、出汁を感じてもらいたい味噌ラーメンって感じに仕上げています。」



- 屋号の由来は?

●袖岡「"卓(すぐる)"は僕の家のご先祖様の名前。ちょっと縁が深い人物でそこから取りました。」

 

- 場所は一乗寺の近くを狙っていたんですか?

●袖岡「この場所は一乗寺のもう一つ北のエリア。僕の中では一乗寺に出店するって気持ちではないんですよ。一乗寺の外れみたいな感じですね(笑)。この場所を狙っていたわけでなく、たまたまだったんです。"とうひち"の時もそうだったんですが、最初は街中の物件を探していました。けっこう南の方からほぼ全域、約半年くらい探していました。全体を探していたんですけど、とうひちから近い方がいいなってのは思っていましたし、僕が市内の北の方が地元だったのでやっぱり慣れ親しんでいる場所がいいかなってのは思っていました。



- それでは石浦店長にも少しお聞きしたいんですが、とうひちに入ったきっかけは?

●石浦店長(以降「石浦」と略)

「今で1年と9ヶ月になります。元々、ラーメンが好きでいろいろ食べ歩いたりもしてて、学生の時から『いつかラーメン屋をしたいな!』ってのは思っていました。それで学生時代に"しゃかりき"でバイトさせて頂いていて、それで更にラーメンに興味を持って『ラーメン屋をしたい!』って気持ちが強くなってきたんです。ちょうどその頃に"しゃかりき"から独立した袖岡さんが"とうひち"をオープンするってことになって、しゃかりき繋がりで僕もバイトとして応援に行くことになりました。」

 

- 袖岡さんは独立前から石浦さんのことを既に知っていたんですか?

●袖岡「(石浦さんに向かって)俺がしゃかりきにいた時、同時期にお前いたの??いないよな?俺がしゃかりきを卒業してから入ったんだよな?」

 

●石浦「袖岡さんが卒業してから、僕が入ったと思います。」

 

●袖岡「僕はしゃかりきにかなりのラーメンバカがいるってのは知っていたんですよ。(笑)」

 

●石浦「ブギー時代から知ってたんですか?」

 

●袖岡「たしか知ってたと思う(笑)。誰かに聞いてたから。」

 

- 石浦さんが"とうひち"に入った流れは?

●袖岡「当時、彼(石浦)は有名な看護学校に行っていたのに、卒業の1年前にそこを辞めて『社員にさせてください』って言ってきたんですよ。」

 

●石浦「ちょっとしたきっかけがあって、親に『学校やめてラーメン屋になる』って言ったんです。すると全然反対されず、親からは『そうなると思っていた』って言われて(笑)。親も僕が看護師に本当になりたいって思ってなかったのを分かっていたみたいです。それで学校を辞めて、とうひちで社員としてお世話になることに決めました。」

 

- 石浦さんを2号店の店長に抜擢した理由は?

●袖岡「彼がウチに最初に入ってきた社員なので、ずっと2人で"とうひち"をしてきたんです。とうひちでも例えば煮干しスープは彼に任せるとかしていましたから。だから今のとうひちは、僕の作ったラーメンと彼が作ったラーメンで構成されているんです。ラーメンに関しては彼をとても信頼しています。」

 

- 2号店を任されると知った時、どうでしたか?

●石浦「僕が入った頃に2号店の話が出てきていたので、自ずとそうなってくるのかなって思っていたので、そのつもりで頑張っていました。」



- 最後に一言ずつお願いします。

●石浦「とうひちの方で1年半ほどいろいろやらせてもらって、ラーメンのことをちょっとずつ分かってきました。2号店を任せてもらうことになったので、今までの経験を生かして頑張っていきます。」

 

●袖岡「今回の店の基本的なベースになってるのは『清湯ラーメンをやりたい』ってこと。とうひちは地鶏だったんですけど、今回は豚って素材を使ってやっていこうと思っています。とにかく清湯ラーメンの出汁の旨味、美味しさをたくさんの方に分かってもらいたい。無化調でほっこりできる味に仕上げていますので、幅広い年齢層の皆様に食べに来て頂けたらなって思っています。宜しくお願い致します。」



 取材・文・写真 KRK 平成30年4月23日