Vol.368:麺乃はる


 今回取材をするのは愛知県春日井市の人気店「麺乃はる」。2021年11月のオープン以来、東海地方の名店で修行を積んだ店主の確かな腕前が評判を呼び、数々の賞を獲得。今や激戦区・春日井市を代表する実力派ラーメン店となっている。「麺乃はる」松原店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「愛知県の尾張旭市です。この場所の隣の市です。」

 

- 昔からラーメンは好きだったんですか?

「ラーメンがすごく好きで、地元だけでなく三重や静岡くらいまで食べ歩いていました。年間で300〜400杯ほどは食べていましたね。」

 

- 当時からラーメン屋をしたいと考えていましたか?

「その時は全く考えていなかったです。当時はバンドをやりながらフリーターで色んな仕事をしていて、その合間に色んなラーメン屋で食べていました。」

 

- ラーメンを作る側になろうとしたきっかけ?

「バンドで生活していくのは無理だなと薄々と感じていました。その頃に元々料理も好きだったので、寸胴を買ってきて自作ラーメンをすることを始めました。」

 

- どんなラーメンを?

「今のようなYouTubeとかで色んな情報を得れる時代ではなかったので、ネットで自作している人のホームページを見たり、ラーメンの教本を買ったりして作っていました。ズブの素人なので上手くはできないんですが、ラーメンを作ることは楽しかったんです。実家だったのでガス代が凄い上がってめちゃめちゃ怒られました(笑)。」


- ラーメン屋で修行も?

「27歳の頃にそろそろちゃんと手に職をつけないといけないと思いました。バイトで接客業とか色々としてきて、自分の好きなことでしか長続きしないと分かっていました。そんな時によく食べに行っていたお店から『ウチで働いてみないか?』と声がかかったんです。白神グループのお店でした。」

 

- 悩みましたか?

「まだ20代だし取り敢えずやってみるかと決めました。それが2012年の1月でしたね。最初は見習いみたいな感じで、数ヶ月後に正社員となり8年間ほどお世話になりました。」

 

- 独立志望は最初から?

「やるからには将来的に自分のお店をやると決めていました。」

 

- 修行では?

「技術とか作業を覚えただけで独立するのは駄目だなとずっと思っていました。知っているのと、やるのは違うじゃないですか!ラーメンは何でもできる、全部できないといけないと思っていました。」

 

- 理由は?

「まだどこで自分の店をするか決めていなかったので、例えばお年寄りが多い地域で二郎系をしても駄目だし、学生ばかりのところで野菜いっぱいのベジタブルラーメンを出しても駄目。どんな場所でもできるように自分の技術はたくさん付けないといけないと8年間ほど修行していました。」


2021年11月24日オープン


- 2021年のコロナ禍でのオープンだったんですね。

「ちょうどコロナど真ん中だったので逆にチャンスだと思いました。飲食店がバタバタと潰れていたんですが、ちゃんとしているお店は流行っていたんです。周りは『今はやめとけ』と言っていたんですが、コロナで絶対数は減るのでチャンスだと考えていました。」

 

- 春日井市のこの場所を選んだのは?

「家が尾張旭市なのでそこから車で30分圏内で探していてこの場所が見つかりました。入った瞬間にボロボロだったんですけど、サイズ的にはいいし、駐車場も確保できるのが一番重要でした。」

 

- 東海屈指のラーメン激戦区の一つですね。

「春日井は確かに激戦区で西側はラーメン屋が多いんですが、この東側は本当に無いんですよね。住宅はあるけど飲食に向いた物件があまり無いようです。」

 

- 屋号「麺乃はる」の由来は?

「"はる"は僕の名前"はるき"からです。白神グループのみんなも『はるちゃん』と呼んでくれていたので馴染みやすいかなと思いました。」

 

- "麺乃"は?

「僕は麺がラーメンの中で一番重要だと思っているので麺を頭に持ってきました。乃って漢字は昔から何となく好きだったので使いました。」



- 自店の看板商品を鶏白湯にしたのは?

「ここを内見しにきた後にこの辺りの客層などを3日間ほど見て歩きました。学生も多いこの地域なら濃厚系のラーメンが絶対的に強いと思いました。この物件が豚骨NGだったので濃厚系なら鶏白湯がいいと考えました。修行先もベースに鶏もあったのでそれをもっと材料増やして濃厚にしようと思いました。」

 

- 目指した鶏白湯は?

「濃いのは好きなんですけど、言い方は悪いかもしれませんが濾しが粗くて不純物でドロドロしているのは好きじゃないんです。なのでがっしり乳化もして濃度もあるけど、重たくなく飲み口がさらっとしたのを目指しました。」

 

- そのスープに合わせる麺は?

「最初は切刃18番のちょっと太く出した四角い麺だったんですが、今は平打ちにして粉の味をしっかり出すことを意識した麺にしています。白神グループの専用粉を使っています。」

 

- 商品も増えていっていますね。

「最初は鶏白湯だけでしたが、次に魚介出汁の醤油そば、そして汁なしの鶏油そばも加えました。基本はその三つで、水木金だけ鶏白湯のつけめんをしています。限定も毎週しています。」

 

- 私が前回来た時は偶然でしたが夜の限定営業をしていましたね。

「不定期ですが夜営業で2時間だけのゲリラナイトとかはしています。その日だけの限定商品で告知するのが当日の朝なんです。」



- オープンして順調でしたか?

「ラヲタだった頃の知り合いや、修行中から顔を売らないといけないと思って接客もしていましたので、最初からお客様が結構来てくださいました。ラーメン本で東海の新店部門一位に選んでいただきました。」

 

- しっかり8年間の修行が良いスタートへ繋がったんでしょうね。

「独立して苦労している方達を見てきていたので、修行中からどうしたらスタートダッシュができるか考えていました。技術だけでなく、店の管理、オペレーション、全てをしっかりできるように学んでいました。」

 

- 店舗展開も考えていますか?

「経営者でもあるんですけど、そもそもラーメンを作るのが好きでやっているので人に任せるのはしたくないです。何店舗もまわす能力も自分には無いと思っています。」

 

- 営業時間が10時半〜15時半の理由は?

「みんな11時オープンじゃないですか?僕がラーメン食べ歩きをしている時に『沢山の店を廻りたいからもっと早くから開けて欲しい』と思っていたんです(笑)。それで14時になった途端にみんな閉めるんです。ラヲタだった当時、僕は遅くまで営業しているちゃんとしたお店があったらいいなとずっと思っていたんです。それの元になったのは11時から16時まで営業していた昔の六厘舎なんです。それが頭に残っていました。」

 

- 松原店主が一番大事にしていることは?

「色んな限定もするんですけど、これでいいやと考えずにちゃんと作り込んで喜んでもらえるものを作ることを考えています。お客様に来ていただいて成り立っている商売なので、良いものを作ってお客様へ還元したいと常に考えています。」



◆店舗情報

麺乃はる

愛知県春日井市不二ガ丘1-6

https://x.com/mennoharu

instagram https://www.instagram.com/mennoharu/

オープン日:2021年11月24日

(取材・文・写真 KRK 令和8年7月1日)