Vol.161:ラ~メント~ク ①


 集まれない、近くで話せない、店に行けない、ラーメン食べれない。各都市で緊急事態宣言が出ている中、逆境を逆手に取った新企画「ラ~メント~ク」が始動。ラ~メント~クとは取材店とLINEやFacebookで専用グループを作り、その中で同時刻に集まりラーメントークをする企画。

 今回集まってくれたのは関西の超人気店を率いる4店主と、当サイトでお馴染みの華麺ライター釈京子さん。さぁ、どんな展開になるんでしょう?(注)画像は以前に撮ったものを提供して頂きました。


◆本日のゲスト

●「極麺 青二犀」森山店主(大阪) サイト内記事

●「麺や 而今 大東本店(麺処ゆうき)」ゆうき店主(大阪)

●「いかれたNOODLE Fishtons」木下店主(大阪)サイト内記事

●「ぶたのほし」高田店主(兵庫)サイト内記事

● 釈 京子 取材記事 サイト内記事


①自己紹介をお願いします。

●極麺 青二犀 森山店主(以下「青二犀」と略)

「吹田の青二犀 森山です。41歳後厄です。」

 

●いかれたNOODLE Fishtons 木下店主(以下「fishtons」と略)

「いかれたnoodle fishtons木下です!西区新町でコロナに負けず、らーめん、つけ麺、店内+TAKEOUTで営業しています。」

 

 ●ぶたのほし 高田店主(以下「ぶたのほし」と略)

「ぶたのほしのあきです。52歳です。40歳でラーメン修行を始めて、"豚の骨"赤迫大将の元で洗い場からスタートし、"無鉄砲つけ麺 無心"と"無鉄砲大阪店"で勉強の後、奈良県の"がむしゃら"で店長を7年間させていただきました。そして50歳で"ぶたのほし"を開店し現在に至っております。」

 

●麺や 而今 大東本店(麺処ゆうき)ゆうき店主(以下「ゆうき」と略)

「麺や而今大東本店(麺処 ゆうき)の代表させて頂いております川口 祐希と申します。麺処 ゆうきでは煮干営業させて頂いております。」



②お互い知り合ったきっかけは?

●ぶたのほし

「木下さんとの出会いはフィッシュトンズさんの立ち飲み営業に行った時からです。その次の日に木下さんがお店に食べに来てくれて現在に至っております。今では兄弟のように仲良くしていただいております(笑)。木下さんの第一印象は『この人天才ちゃうか?』でした。『紙一重』的な。

 

●ゆうき

「アキさん(ぶたのほし店主)とは(僕が)日本橋でガチャガチャしていたらバッタリお会いし御挨拶させて頂きました。森山さん(青二犀)は青二犀がオープンする前に(僕の)以前の職場の"麺心 氣ばりぃ屋"に御来店頂き御挨拶させて頂きました。ともやん(fishtons)は大東而今に御来店頂いた際に御挨拶させて頂きました。(^^)」

 

●ぶたのほし

森山さん(青二犀)はカンラコのセミナーで講師されたのを聴きに行ったのがボクが見知ったはじめです。『すっごい人やなー』という印象でした。髪型も。ゆうきさんは日本橋を歩いてるときに声をかけていただきました。」

 

●青二犀

「カンラコのセミナーに来られてたんですね!恥ずかしい(笑)」

 

●釈 京子(以下「釈」と略)

「ラーメン屋さんの口から『日本橋』と聞くと道具屋筋しか思い浮かばないです(笑)

 

●青二犀

「出会った順番でいきます。ゆうきさんは9年前か10年前にお互い先輩のお店でお会いしてからの付き合いになります。ともやくん(fishtons)はまだ輝さん(麺や輝)で修行中の時に催事の洗い場のシンクで一緒に寸胴洗ってからですね。アキさん(ぶたのほし)はともやくんを通して知り合いました。」

 

●fishtons

「アキさん(ぶたのほし)は(僕の店で)土曜日の夜に立ち飲みやっていた時に食べに来て下さいました。すごく笑顔が素敵な方で、情熱的な感じを受けました。森山さんとはラーメンダービーで一緒に洗い物しました。凄く真面目な印象を受けました。ゆうきさんは"麺処ゆうき"さんの煮干しを食べて感動して挨拶しました。(自分の店の)オープン前だったので、そこからオープン準備などいろいろお世話になりました。」



③ラーメン屋になろうと思ったきっかけは?

●fishtons

「アパレルをやっていて、ラーメンを食べすぎて服が入らなくなりました。人生は1回なので、失敗しても好きなことをやろうと決心しました。」

 

●ぶたのほし

「漠然とラーメンが好きで食べ歩いた結果、赤迫大将の豚骨ラーメンと出会ったことです。こんなに人の心を震えさせるラーメンがあるんか!ってずっと思ってて自分もやってみたい!っていうのがきっかけです。」

 

●釈

「自分が大学4年間、準社員レベルでバイトしていたラーメン屋が潰れてしまったことにショックを受け、『潰れるラーメン屋を減らさなければ!その為には美味しいラーメンを皆んなに知ってもらわなければ!』と思いブロガーになりました(聞かれてないけど言ってみたwww)。」

 

●青二犀

「18歳からバイトでらーめん屋で働いてて、成り行きでずっとらーめん屋で働いていたんですが、一回本気でらーめんを作る機会があって、そこから本気でらーめんにはまりました。それから独立を考えました。」

 

●ゆうき

「16歳(高一の10月頃)の時にラーメン屋でアルバイトを始め、高校卒業の時に美容師、整備士、調理師と三択で調理師学校に行く事になり、そこで中国料理に目覚めましたが挫折。それから『ラーメン屋になろうかな?』的なノリでした。」



④憧れのお店は?

●青二犀

「無鉄砲さんと天神旗さんは食べ歩きしてる時ハマりました!あと豚一さん!」

 

●fishtons

「無鉄砲本店様。アキさん(ぶたのほし)の前でお恥ずかしいのですが、僕も無鉄砲さんきっかけでラーメンにのめり込みました。食べ終わった後はもう当分ラーメンは大丈夫と思うのですが、翌日『あれ?また食べたい!』と身体が無鉄砲さんのラーメンを欲していました。」

 

●ぶたのほし

「らの道を歩くきっかけになったお店は『もっこす 石屋川店』さんです。あこがれのお店はいっぱいありますが、現在のメンターは69の嶋崎さん(現・ロックンビリーS1店主)と和海の木下さんです。一生涯背中を追うのは赤迫大将(無鉄砲 代表)です。」

 

●釈

「もっこすも良いですよね〜!ついついたくあん食べ過ぎちゃいます。」

 

●釈

「中華料理屋さんですが、神戸元町の『順徳』のねぎそばがめっちゃ好きです。麺とスープとネギだけで爆発的な満足感。引き算の美学を学びました!とか言って具材の多いラーメンも好きですが(笑)」

 

●ゆうき

「和海の木下さんのらーめん。僕のらーめんの考え方が凄く変わったきっかけのお店です。」


⑤お互いを褒めてください。

- まずは青二犀さんを褒めてください。

●fishtons

「森山さんは金髪でかっこいいです。金髪したいですが、似合わないので、憧れます。笑」

 

●青二犀 

「金髪かい(笑)」

 

●釈

「ラーメンマンの髪型が素敵でした。ラーメンマンにしたいですが似合わないので憧れます。笑」

 

●青二犀

「また髪型(笑)」

 

●ぶたのほし

「森山さんの柔軟な思考と周りへの対応性はすごいと思います。」

 

●釈

「限定などで色んなメニューを出されてますが、どれもしっかりと作り込まれていて芯が通った印象です!」

 

●ゆうき

「森山さんはどんだけ山に登ろうが、次の日の朝6時には厨房にいます!!すごいです!!」

 

- 次はfishtonsさんを褒めてください。

●釈

「仕事慣れしていない新人さんへの接し方が、偉そうでなく物腰も柔らかくすごく上手で感動しました!」

 

●fishtons

「朝起きたら、時計見ずに何時かわかります。」

 

●青二犀

「自分で言うのありやったん?(笑)」

 

●釈

「↑ ナイトスクープに出ましょか?」

 

●青二犀

「人とは違った変な角度から物事を見ててほんとにイカれてますが、美味しいらーめん作ります。知り合い多いです。」

 

●ぶたのほし

「天才です。天才の天才すぎて戻ってきてますが実は天才です。屋号が長いのは許してやってください(笑)。判断と行動との間に余計なことが無い。それなかなかできないんです。それがラーメンに出ていると思います。余計な思惑がない。」

 

●ゆうき

「イケメンで、たまに容赦無くいかれたラーメンを作る、本当にいかれた店主です‼️」

 

- 次はぶたのほしさんを褒めてください。

●釈

「目の離せないあの豚骨スープのお守りをしながらもお客様との会話を大切にして、目線を切らずに接客されているのが素晴らしいです!」

 

●fishtons

「豚骨愛NO.1。お客様愛NO.1。常に頂きを目指し、勉強、勉強、勉強。誰も追いつけないと思います。」

 

●青二犀

「こんな僕にさえ凄く丁寧に接してくれる、凄い紳士な方です。お店の綺麗さで、らーめんも丁寧に作ってはるのが分かります。一緒に小豆島に行った時もお客さんにお土産を買ってはったり、本当に優しい人だなぁと思いました。」

 

●ゆうき

「アキさんの豚骨を初めて食べた時は感動しました!店の雰囲気も最高で、ラーメン作ってる姿が凄くカッコイイです!豚さんの拘りが本当にハンパないです!」

 

- 次はゆうきさんを褒めてください。

●ぶたのほし

「ゆうきさんは風雲児です。第一印象がそれです。野心があり、それでいて礼儀正しい。たぶんてっぺんに行くかもな人です。」

 

●釈

「楽しんでラーメンを作っている姿勢が、色んなラーメン屋さんに良い影響を与えていると思います!」

 

●青二犀

「ゆうきさんはいつも運転してくれます!らーめんにも真面目でいつも勉強になります。大変なことも多いですが、反骨精神で頑張っています!」

 

●fishtons

「ラーメン愛が強く間違ってることが嫌いで、駐車違反とかしたらめっちゃ怒ります。間違ったことをしっかり怒れるのは素晴らしいと思います。関西煮干神です。」

 

- 釈さんも褒めておいてください。

●釈

「ちょ、その言い方(笑)」

 

●ゆうき

「釈さんはラーメン業界盛り上げて頂いているお一人で、僕ももっと関西のラーメン界を盛り上げられるように頑張ろうと思います。」

 

●青二犀

「釈さんは本当にらーめんが好きで、関西のらーめんの発展の為に魂を捧げてる方!」

 

●fishtons

「有名人なのに気取ることなく、素敵な美貌の人妻様です。」

 

●ぶたのほし

「京子様はらの道のポスターで初めて知りました。こころが震えました。こんな美しい人がいるんやって。シナさんにそのことをコッソリお伝えしたら、こっそり"がむしゃら"にお連れくださいました。今でもその感動は覚えてます!(笑)」

 

●釈

「これは予想外に照れますね(笑)」 



⑥今までで一番食べている一杯は?

●fishtons

「無鉄砲さんの豚骨らーめん 固め こってり ネギ大」

 

●青二犀

「天神旗の老です!」

 

●ぶたのほし

「昔のむかし、無鉄砲本店で赤迫大将が作ったとんこつラーメン大盛 カタコテネギオを食べたあと、帰りの阪奈道路でもっと食べたくなってUターンしてもう一杯食べに行きました。」

 

●ゆうき

「西中島の塩元帥さんのオープン当初の塩らーめんです‼️」

 

●釈

「東成きんせいの醤油!仕事場が近かったので、週に2.3杯食べてました(笑)」


⑦関西ラーメン界をもっと盛り上げるには?

●釈

「いざ言葉にしようとすると難しい。」

 

●ぶたのほし

「それには飲食業>麺業界>ラーメン界的なグローバルな視点が必要ではないかと。実はラーメン業界には他の世界にはない凄い人材がたくさんおられます。」

 

●fishtons

「第一世代のカドヤさんなど15年以上のお店。第二世代ジャンクストリーさんなど10年付近のお店。第三世代5年未満のお店。関西のラーメン界の土台は先輩方に作って頂いたので、第三世代の僕らがもっと頑張っていかないといけないと思うし、日々コツコツと頑張りたまに目に見えてあっと驚くことをやれるようにしたいと思います。とゆうきさんといつも言っています。笑」

 

●ゆうき

「ともやん(fishtons)が僕が言おうとした事を9割も言っちゃいました‼️笑

 

●ぶたのほし

「非常に同感です。」

 

●青二犀

「関西の食材、調味料などをラーメンを通して素晴らしさを伝えることにより、ラーメンに関わる人全てを巻き込むみたいな、らーめん屋以外の人との輪をつくる、みたいな感じはどうですか?」

 

●ゆうき

「先輩方々が舞台を作って頂いたので、本当感謝忘れてはダメだと自分に言い聞かせてます‼️」

 

●ぶたのほし

「ボクらは先代に作っていただいた土壌で商売させてもらってるだけです。」



⑧ラーメン屋として大事にしていることは?

●ぶたのほし

「ぶたのほしの理念ですが『ラーメンを通じてすべての人を元気にする』です。ボクの行動原則はすべてそこに帰すります。『お客様を愛すること。素材に感謝すること。そしてラーメンを楽しむこと。』を最上に大切にしてます。」

 

●fishtons

「成功、失敗、いろいろありますが、どんな結果になってもラーメン作りを楽しむこと。それでお客様も楽しんでもらえたら最高です。」

 

●青二犀

「向上心を忘れない事です。一生青二才です。」

 

●ゆうき

「御客様の笑顔の為に日々技術研究しております。」


- 釈さんからの質問

⑨修業時代の自分に一言声をかけるとしたら?

●fishtons

「独立すると川から海に出る感覚でそこにも素晴らしい仲間がたくさん待ってるよ。」

 

●ゆうき

「本当色々あるけどらーめんは最高やで‼️ 一生勉強‼️」

 

●青二犀

「頑張り抜けば、未来は明るいよー!」

 

●ぶたのほし

「『奥さんを大切にしなさい』です。」


⑩最後に一言お願いします。

 ●ゆうき

「御客様の笑顔の為に日々技術研究しております。僕が今ラーメンを作れてるのは御客様、同業者様、業者様、従業員さん、すべての方々のお陰です。全ての方々に感謝しか御座いません。ありがとうございます😊」

 

●fishtons

「楽しかったです。お疲れ様です!」

 

●ぶたのほし

「本当に楽しい時間をありがとうございました。」

 

●釈

「皆様とLINEでお話できて楽しかったです。コロナが落ち着いたら外食活動再開いたしますので、また食べに行かせていただきます。」



(取材・文・写真 KRK 令和2年4月15日)