Vol.250:麺や 二鷹


 大阪屈指の人気店として大阪ラーメンシーンを長く牽引してきた江坂の名店「麺屋えぐち」が、2022年1月23日に移転のため閉店した。そして同店で店長を務めていた方がその跡地で3月8日に独立開業する。屋号は「麺や 二鷹」。オープン直前の忙しい時に取材する時間を作って頂けたので吹田市まで足を運んだ。「麺や 二鷹」池田店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「大阪の茨木市です。」

 

- 飲食をしようと思ったきっかけは?

「初めは会社員をしていたんです。工場員だったんですけど徐々に自分には合わないと思い始めて、人と携わる仕事がしたいと思いました。それで接客業をしてみようと思い、パチンコ屋や弁当屋などいろんな仕事をしてみました。そんな中で飲食店のキッチンで物を作ることが自分には合ってるなと気付きました。」

 

- ラーメン屋で働くきっかけは?

「その頃に近所の某ラーメン店からアルバイト募集が出ていたので働いてみようと思ったのが最初のきっかけでした。それから他のラーメン店から社員募集が出ていたので転職してその店で社員になりました。」

 

- 当時、独立志望はありましたか?

「当時は全く考えていなかったですね。まずはその店でしっかり学んで店長を目指そうという感じでした。今から10年前くらいの話ですね。」

 

- その会社を離れた理由は?

「豚骨ラーメン屋さんだったんですが、他のラーメンも学んでみたいと考え始めました。それで幾つかのラーメン店を食べ歩きをしてみて、最後に行き着いたのが『麺屋えぐち』でした。以前から有名店だと知っていたので麺屋えぐちからの求人を見つけた時はすぐに『ここで働きたい!』と思いました。」


- 麺屋えぐちで働き始めてどうでしたか?

「当時は森垣さん(現・麺や江陽軒 店主)が店長をしていた時でした。今まで働いてきたお店とは全く違って本当に大変でしたね。もう無理だと何度も思いました。仕込みも早朝から丁寧にしてたりとか、売れるお店はこうなんだと驚きの連続でした。」

 

- 麺屋えぐちでは何年ほど?

「約7年お世話になりました。森垣さんが独立した後、店長も務めさせてもらいました。」

 

- 独立のことはいつ頃から?

「勤めている時に社長から『もう一ランク上に行かないと経営者になられへんぞ!』と言われていました。その言葉が重かったですね。それで『自分でするのは厳しいかな?』と思った時期もあったんですが、森垣さんや北原さん(現・麺屋そにどり店主)とかに『やってみたら?』と背中を押して頂いて自分でしてみようと決めました。」


2022年3月8日オープン


- 独立する場所をここに決めたのは?

「僕は茨木市出身なので、隣の阪急富田駅周辺にラーメン屋さんが無かったのでその辺りで考えていました。それから麺屋えぐち移転の話が出てきて、慣れ親しんだこの場所でという気持ちが出てきました。バイトの人達もそのまま残ってくれると言ってくれていましたので、ここでしようと決心しました。」

 

- 屋号「麺や ニ鷹」の由来は?

「一富士二鷹三茄子という諺(ことわざ)からです。本当は縁起がいいので一富士でしたかったんですけど一富士というラーメン屋さんが多かったんです。その次に『ニ鷹もかっこいいな!』と思って調べたらニ鷹というお店が無かったので決めました。」



- 自店で提供する商品は?

「ある程度は何を使って作るか決めていたので後は味の微調整だけでしたね。8割ほどは麺屋えぐちから受け継いだ味で、そこに自分のやりたかったことを加えた感じです。」

 

- 具体的には?

「麺を変えたんです。麺屋えぐちでは縮れ麺だったんですが、僕の好みがストレート麺だったので変えました。小麦の配合もしっかりしてもらって、しっかり小麦の甘い感じのする麺にしました。すると今までのスープだと小麦が勝ってしまう感じになったのでそれに負けない旨味を増すために昆布を多めにしたりとか微調整をしました。」

 

- オープン時の商品は?

「オープンしてしばらくは醤油一本(中華そば)で営業する予定です。」

 

- いよいよ自分の道を歩き始めるわけですが、今の気持ちは?

「一つ一つ良い商品を作るということ。しっかりした接客をすること。基本的なことを高水準でクリアーできるように、当たり前のことを当たり前にするということを心掛けていきます。」



◆店舗情報

麺や 二鷹

大阪府吹田市江坂町1-4-20

twitter:https://twitter.com/vu8nDuLom4CyMLx

オープン日:2022年3月8日

 (取材・文・写真 KRK 令和4年2月26日)