Vol.266:日本橋 さか一


 台風来襲の2022年9月20日、大阪・日本橋に新たなラーメン店がオープンする。屋号は「日本橋 さか一(さかいち)」。紹介してくれた方の話では、こちらの店主はかなり面白いキャリアを積んできた方だそうだ。オープン直前の忙しい時期に、プレ営業の後に取材する時間を作って頂いた。「日本橋 さか一」中谷店主にKRK直撃インタビュー!


- ご出身は?

「大阪府堺市です。」

 

- 元々、ラーメンは好きだったんですか?

「はい。高校生の頃から大阪メインで広い範囲を食べ歩いていました。道頓堀のラーメン劇場で六角家さんの家系にハマったり、明石のラーメン波止場にまで食べに行ったりしていました。」

 

- ラーメンを作る側になるきっかけは?

「飲食のキャリアはロッテリアでのアルバイトからになるんですが、ラーメンでは大阪の"喜多方ラーメン蔵"でアルバイトをしたのが最初で、大阪に進出した某有名豚骨店でも働いていました。それからテレビ番組"ガチンコラーメン道"の一期生オーディションに応募したんですが、本戦の直前で落選してしまいました。その時は本放送にも一回出してもらいましたね。」

 

- 積極的に色々していたんですね。

「ガチンコの後、一旦、燃え尽きたみたいになってしまって、ラーメンから離れてしばらく会社勤めをしていました。」


- 再びラーメンへ戻ってくるきっかけは?

「知り合いの整骨院の先生が"麺のようじ"の店主と知り合いで、食べに行ってみたんです。美味しくて衝撃を受けて、それから通うようになりました。昼と夜に1日2回行ったこともあるくらいです(笑)。」

 

- その時は普通に客としてラーメンを楽しむという気持ちでしたか?

「その時は会社勤めをしていて客としてという気持ちでしたね。でもある時、お店を手伝う機会があり、その流れで屋外のラーメンフェスにも手伝いで入ったりとかするようになりました。その時に知り合ったJAWSの伊藤店主やFishtonsの木下店主のお店にもお手伝いで少し入ったりするようになりました。まだ会社員をしながらです。」

 

- そこまでしていて、まだ気持ちはラーメンへ戻らないんですか?

「その頃にはラーメンをまたしようと思い始めていました。そしてアメリカでラーメンチェーンを展開している会社に知り合いがいて、現地の商品開発も含めた店舗責任者的な仕事をしないかと話がありました。僕自身もやる気になっていたんですが、就労ビザの手続きとかで7〜8ヶ月ほど待っている間にコロナ禍に突入して、その話も流れてしまいました。その時は今後どうしていこうか、本当に困りました。」

 

- 未だに出口がはっきり見えませんからね。

「その時に麺屋丈六さんが求人を出していて、すぐに連絡をとって難波本店で働かせてもらえることになりました。」

 

- 自分の店とかはまだ頭の中に無かったんですか?

「丈六店主からも『独立を目標に頑張ってください』と、物件を決める際や準備に関して助言をいただきました。」


2022年9月20日オープン


- 希望の場所はあったんですか?

「特になく、大阪全域、兵庫も探していましたが、なかなか希望の条件に合う物件に出会えませんでしたね。そして日本橋のこの物件と出会いました。外国人の方が多い地域ですが、地元の日本人の方も多く住んでいるので、競合店も少ないしチャンスはあるかなと思いました。」

 

- 屋号「日本橋 さか一(サカイチ)」の由来は?

「"さか一"というのは、ウチのおじいちゃんが昔、堺でしていた和菓子屋の屋号なんです。マークもその時のほぼそのまま。それを僕が受け継ぐ形で使わせてもらうことにしました。」

 

- 自店で提供する商品は?

「僕自身もそこそこの年齢になって濃厚なのは毎日食べられない。毎日食べてもらえるような商品と考えて、鶏ベースに魚系をミックスした醤油清湯に決めました。醤油清湯の美味しい店は多いので、その中で差別化を図るために、油分を控えた煮干し油を加えたり、魚系も鯵煮干しを昆布と一緒に使っています。」

 

- 中谷店主の大事にしていることは?

「コツコツと真面目に仕事をしていくこと。一つ一つ確実にしていくことです。」



◆店舗情報

日本橋 さか一

大阪府大阪市中央区島之内2丁目11-3

twitter:https://twitter.com/nipponbashisak1

オープン日:2022年9月20日

 (取材・文・写真 KRK 令和4年9月18日)